研究概要 |
(1)イネ幼苗に、親和性(race 007.0)または非親和性(race 102.0)のイモチ病菌を感染すると、isopentenyl adenine (iP)、iP riboside (iPR)およびIPR5'-phosphates (iPRP)の3分子種の内生サイトカイニン(CK)レベルが顕著に上昇した。イモチ病感染時におけるCK合成酵素遺伝子isopentenyladenine transferaseの発現誘導は観察されなかった。一方、イモチ病菌の菌糸、胞子および培養液から各分子種のCKが検出され、イモチ病菌自身によるCKの生合成能が認められた。これらの結果から,イモチ病菌感染時にイネ幼苗体内に蓄積するCKはいもち病菌に由来することが示唆された。 (2)イモチ病菌感染後2~3日の形質転換イネWRKY45-P::GUS (SA応答性)およびOsRR6-P::GUS (CK応答性)において、感染部位の周辺でGUS活性が検出された。この結果は,サリチル酸(SA)およびCKシグナルがイモチ病感染に応答して共に活性化し、防御反応の誘導におけるSA-CKの相互作用を示唆している。
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