本研究では、肝細胞の成熟化が進まず、種々の組織異常を示すC/EBPα遺伝子欠失マウスを用い、肝小葉を構成する細胞間で働く新規相互作用とその分子実体の解析を行った。ヌル型肝臓では、胆管形成不全、肝星細胞の活性化・線維化、類洞内皮細胞の成熟不全がおこり、これらより肝細胞は、胆管上皮細胞、肝星細胞、類洞内皮細胞と密接に相互作用することが示唆された。その相互作用には、PDGFC、angiopoietin-like 3等各種細胞増殖因子が関わりうる。また、胆管上皮細胞マーカーとして、Sox4、Sox9やosteopontin等が優れることが証明された。
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