研究課題
ミツバチが尻振りダンスの際に、どのように採餌バチに定位するのかを調べるため、匂い刺激と尻振りダンスで生じる振動刺激で誘発する歩行を,拘束下歩行パターン解析装置上で調べた。報酬と関連づけて学習した匂い刺激中は、小さな左右ターンを繰り返し直進歩行し、匂い刺激後は、ターン角度が大きくなり、歩行範囲、歩行距離も大きくなる。この匂い刺激中の歩行様式は、匂い源付近での局所探索歩行、その匂い刺激終了後の歩行様式は、一旦匂いを見失った際に生じる、匂いの有る場所を探索する歩行と考えられ、飛行による匂い探索の様式と相似であった。さらに学習した匂い刺激による歩行中に尻振りダンス音刺激を提示すると、歩行範囲、歩行速度、平均ターン角度が上昇することが分かった。匂いと振動で誘発される歩行を制御する神経を調べるため、拘束下歩行パターン解析装置上で歩行中のミツバチの脳内の神経活動を調べた。しかし、神経記録のための頭部固定により、自然な歩行を誘発させることができなかった。そのため、ミツバチを固定した状態で、匂いと振動刺激を組み合わせて与え、脳神経活動の記録を行った。その結果、振動刺激だけでは神経応答しないが、匂い刺激中に振動刺激を与えると、持続的な興奮応答する脳下降性ニューロンを同定した。このニューロンが、匂い刺激と同時に振動刺激で生じる歩行に関わる可能性が示唆される。GABA、オクトパミン、セロトニンの抗体での共染色を試みたが、いずれも陽性反応はなかったものの、前大脳後葉領域における樹状突起の周辺に陽性ニューロンの存在が確認された。その他、60タイプの新規の振動応答性介在ニューロンの3次元形態を同定、池野らが作成したソフトSIGENでコンパートメントモデルを作成し、それらのデータを元に信号処理の形態学的特徴を抽出した。現在、尻振りダンス解読に関わる異種感覚統合神経回路のモデルを、標準脳を用い構築中である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
「ミツバチの脳と神経」で、研究データの一部を公開「ミツバチの聴覚情報処理機構の国際共同研究プロジェクト」は、藍と池野が推進する国際共同研究プロジェクトの進展状況を公開
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (18件) (うち招待講演 4件) 備考 (2件)
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