蜜源から帰巣した採餌バチは、尻振りダンスにより、餌場の場所や餌場の匂い情報を巣仲間に知らせる。しかし、巣仲間のミツバチがどのように尻振りダンサーに誘引されるのか、尻振りダンサーへの誘引の際、脳内で何が起こるのかはよくわかっていない。本研究では、採餌バチが発する可能性のある2種類の刺激、花の匂いと尻振りダンス音により誘発される歩行様式を解析した。その結果、蜜(報酬)と連合学習した花の匂いと羽ばたきによる振動が巣仲間を誘引すること、その誘引行動を指令する脳内候補ニューロンを発見した。さらに蜜源への距離と方向を統合する脳内領域を発見した。これらは尻振りダンス解読機構解明の糸口になる成果である。
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