研究課題/領域番号 |
22570084
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮村 新一 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (00192766)
|
研究分担者 |
本村 泰三 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (30183974)
河野 重行 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70161338)
|
キーワード | 性 / 配偶子 / 雌雄 / 細胞融合 / 受精 / 海産緑藻 / 緑藻 |
研究概要 |
ヒラアオノリ、ナガアオサ(アオサ目)などのアオサ藻綱に属する海産緑藻で確認された配偶子の細胞融合部位の非対称性が、他のアオサ藻綱でも成り立つかどうか検証するためにエゾヒトエグサとシワランソウモドキ(ヒビミドロ目)の異形配偶子を用いて電子顕微鏡による観察を行なった。その結果、アオサ目のヒラアオノリなどと同じく、雄配偶子は眼点と反対側の細胞先端近くに接合装置が存在し、雌配偶子では眼点と同じ側に存在することが明らかになった。従って、他のアオサ藻綱の海産緑藻と同じくエゾヒトエグサおよびシワランソウモドキの異形配偶子でも細胞融合部位の非対称性が確認できた。また、また、細胞融合部位の分布と雌雄性に関係は他のアオサ藻綱の異形配偶の場合と同様であった。 さらに、クラミドモナス以外の緑藻綱で配偶子の細胞融合部位の非対称性を検証するためにクラミドモナスに近縁なGonium pectoraleの同形配偶子について電子顕微鏡を用いて観察した。その結果、プラスとマイナスの配偶子で接合装置の配置が非対称であることが確認できた。このことは、アオサ藻綱の海産緑藻やクラミドモナスと同じであった。また、性決定遺伝子MIDとの関係もクラミドモナズと同じであった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年の東日本大震災の際、研究室が水浸しになるなど大きな打撃を受け、研究材料や冷凍保存試料なども消失し、その復旧に時間がかかったため研究は当初の予定より大幅に遅れてしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、Goniumと同じボルボックス目の異形配偶子についても細胞融合部位の空間配置と交配型の関係について性決定遺伝子を用いて解析する予定である。また、細胞融合部位と交配型の関係および細胞融合部位の空間配置決定の仕組みについてクラミドモナスの変異体を用いて解析する予定である。
|