研究概要 |
ハナガサノキ(アカネ科)は個体群間で性表現が異なる.小笠原諸島個体群は被子植物において稀な雄性両全性異株性を示すが,南西諸島個体群は雌雄異株である.小笠原個体群における雄性両全性異株性がどのように由来してきたのか,またその進化の背景には何があったのか,を探るために送粉生態学的ならびに分子系統学的側面から解析を試みた.その結果,従来南西諸島と小笠原個体群は同一種と扱われてきたが,単系統群を形成せず,系統学的に離れていることが判明した.また,この系統樹に基づくと,雄性両全性異株は雌雄異株から由来したことが示された.
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