研究課題/領域番号 |
22570107
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研究機関 | 滋賀県立琵琶湖博物館 |
研究代表者 |
SMITH Robin 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 主任学芸員 (70416204)
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研究分担者 |
神谷 隆宏 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (80194976)
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キーワード | カイミジンコ / 進化 / 化石 / 形態 / 巨大精子 / 琵琶湖 |
研究概要 |
私達は現在36種の淡水カイミジンコから精子のデータを収集し、これまでに文献で報告されていたデータを大きく増やした。私達はある1種がほぼ12mmの長さの精子を持ち、カイミジンコのなかでは最も長いことを発見した。また、その科のなかで相対的に最も長い精子を発見し、そのオズはその体殻の長さの4.3倍の長さの精子をつくる。その科の巨大精子は2つの主要な部分、前部と後部からなり、これらの2つの部分の相対的な長さはグループとグループ内の種によって大きく異なることを私達は発見した。いくつかの種では前部が極端に短く(全長の8%)、他の種では後部が極端に長い(全長の66%)。私達は、Cypridoideaの祖先の精子は長さ約1mmで、Candonidaeのようなグループは時間をかけて短い精子に進化し、Cyprididaeのようなグループは長い精子に進化したと考える。非常に長い精子、すなわち2mm以上の長さのものは、その科で1回以上進化している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、目的完成のために順調に進んでいる。例えば、カイミジンコの形態と変化についての知識を大きく増大した。このことはその進化を理解するのに役立つであろう。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集、特に化石カイミジンコについてのデータ収集を続ける。これには、特に保存状態がいい化石カイミジンコ内の化石化された巨大精子の例を探すことも含む。このことは、現存する種から集めたデータを地理学的に関連づけるのに役立つであろう。
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