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2010 年度 実績報告書

細胞接着・細胞運動制御に関与するネクチン様分子の構造生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22570115
研究機関大阪大学

研究代表者

鈴木 守  大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (40280507)

キーワード構造生物学 / X線結晶学
研究概要

細胞接着(アドヘレンスジャンクション、タイトジャンクション、デスモソーム、ギャップジャンクション)は細胞と細胞との間に作られ、これらは互いに相互作用している。細胞接着は、組織や臓器の形成に必須であると共に、その異常はがんなど多くの疾患の原因になっている。
細胞接着の開始は、増殖しながら運動している細胞同士が衝突して接触することにより行われる。細胞の増殖と運動を促進するネクチン様分子(Necl)が細胞の運動先導端において、細胞接着分子ネクチンとが相互作用することにより細胞の増殖と運動が停止され、ネクチンとカドヘリンによるアドヘレンスジャンクションが形成され、続いてクローディンによるタイトジャンクションが形成される。
ネクチン様分子(Necl)は5つのメンバーからなるファミリーを形成している。Neclは1回膜貫通型の蛋白質あり、N末端が細胞外を向いており、3つの免疫グロブリン(以下、Ig)フォールド(V-set、C2-set、C2-set)で構成されている。Neclはネクチンと同じ分子構造を取っているが、1次配列の相同性は20%と低く、さらにC末端にアファディン結合配列が無いためアクチン細胞骨格と連結しないという点がネクチンと異なる。課題代表者がすでに構造解析に成功しているネクチン1に加え、Neclファミリーの構造が明らかになれば、細胞表面での接着、運動制御のメカニズムを立体構造に立脚して議論できると考えている。
今年度は、独立行政法人製品評価技術基盤機構より分譲を受けた遺伝子を用い、大腸菌発現系を用いたヒト由来のNecl-1~5の細胞外領域の発現確認を行った。すでに着手していたネクチンの場合と同様、どれも可溶性画分には得られないことが明らかになった。そこで、封入体としての精製法および、大希釈法による巻き戻し条件の検討を行った。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Refolding, crystallization and preliminary X-ray crystallographic study of the whole extracellular regions of nectins2011

    • 著者名/発表者名
      Narita, H., Nakagawa, A., Yamamoto, Y., Sakisaka, T., Takai, Y., Suzuki.M.
    • 雑誌名

      Acta Crystallographica Section F

      巻: 67 ページ: 344-348

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystal structure of the cis-dimer of nectin-1 : Implications for the architecture of cell-cell junctions2011

    • 著者名/発表者名
      Narita, H., Yamamoto, Y., Suzuki.M., Miyazaki, N., Yoshida, A., Kawai, K., Iwasaki, K., Nakagawa, A., Takai, Y., Sakisaka, T.
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry

      巻: 41(online)

    • 査読あり
  • [学会発表] ネクチン・ネクル分子群の構造解析の試み2011

    • 著者名/発表者名
      成田宏隆、中川敦史、鈴木守
    • 学会等名
      第28回PFシンポジウム
    • 発表場所
      つくば国際会議場(震災のため中止、要旨はシンポジウムのWeb上に公開済み)
    • 年月日
      20110314-20110315
  • [学会発表] 細胞間接着・細胞運動に関わるタンパク質の構造解析に向けた取組み2011

    • 著者名/発表者名
      成田宏隆、中川敦史、鈴木守
    • 学会等名
      第24回日本放射光学会放射光科学合同シンポジウム
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      20110107-20110110
  • [学会発表] ネクチン3のC末端配列と結合したアファディンPDZドメインの構造解析2010

    • 著者名/発表者名
      藤原芳江、合田名都子、里村香織、成田宏隆、中川敦史、匂坂敏朗、鈴木守、廣明秀一
    • 学会等名
      BMB 2010(第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会 合同大会)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] 細胞間接着分子ネクチン-2の構造生物学的研究2010

    • 著者名/発表者名
      成田宏隆、中川敦史、岩崎憲治、匂坂敏朗、高井義美、鈴木守
    • 学会等名
      日本結晶学会年会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      20101203-20101205
  • [学会発表] ネクチンファミリーの結晶構造解析2010

    • 著者名/発表者名
      成田宏隆、中川敦史、岩崎憲治、匂坂敏朗、高井義美、鈴木守
    • 学会等名
      第10回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      20100616-20100618
  • [備考]

    • URL

      http://www.protein.osaka-u.ac.jp/rcsfp/supracryst/suzuki/index_ja.html

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公開日: 2012-07-19  

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