研究課題
タンパク質の核磁気共鳴(NMR)による解析は生体高分子の3次元構造に関する情報に加え、リガンド相互作用、動的ゆらぎ状態など創薬に関する重要な情報を与える。本研究課題では研究代表者が既に完成している汎用的なサブルーチン群を用いることでNMRシグナルの解析を全自動化する以下のプログラム群を開発する:1.ホモロジーモデリングを統合的に実行する model_robot、2.推定構造からの化学シフトを予測させるプログラムの出力プログラム shift_robot、3.NMRデータからのシグナルを自動検出させる spec_robot、4.アニーリングによる連鎖帰属を実現する anneal_robot、5.磁化移動グラフを自動構築する graph_robot、6.1~5のプログラム群が入出力するパラメータを自動学習によりコントロールさせる par_robot。これらのプログラム群はシグナル自動帰属プラグインとしてパッケージ化され、研究代表者がすでに開発している統合解析プラットフォームであるMagRO-NMRViewに搭載させた。当初の目標としていた全自動的なNMRシグナルの検出、化学シフト推定、NMR主鎖シグナルの連鎖帰属を実用的な精度で実行できる性能を実現した。また当初はプログラム群の一部をCUDAを用いたGPGPU計算による最適化を行う予定であったが、近年のCPUの進歩に伴い、マルチコアCPUを用いるコンパイル時の最適化による高速化で十分なパフォーマンスを発揮できることを確認した。最終的には本研究課題の研究開発過程で、NMR構造と化学シフト値との整合性について、およびNMR構造の重ね合わせ自動化について2報の論文を国際誌に発表できた。開発されたプログラムはすでに大阪大学蛋白質研究所のホームページよりデモバージョンを公開し、開発内容の詳細についても国際誌への投稿を予定している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件) 備考 (3件)
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