研究課題
1. イオンモビリティ質量分析(IM-MS)とX線小角散乱(SAXS)との組み合わせSAXS のデータから構築されるダミー残基モデルから衝突断面積を計算する方法を確立し、しっかりとフォールドしたタンパク質とフレキシブルな領域を有するタンパク質では、IM-MS で観測される挙動が異なることを明らかにした。この研究成果をまとめ論文化した。2. IM-MS と分子動力学シミュレーション(MD simulation)との組み合わせIM-MSで得られる衝突断面積を有する試料イオンの構造を考察する目的で、MD simulation を組み合わせた解析法を検討した。試料として、しっかりとフォールドした部分とフレキシブルな領域の両方が存在するタンパク質複合体を用いた。IM-MSではエレクトロスプレーでイオン化し、その挙動を質量分析するとともに移動度を分析する。そこで、MD simulation では、気相からでなく溶液→気相の順で計算を行うとともに、それぞれにおける荷電状態も考慮することにした。さらに MD simulation を 100, 200, 300, 400 K の4つの温度で行い、各温度当たり150個ずつの構造を導き出すことで、IM-MSで観測される衝突断面積の分布をカバーすることができることがわかった。そして、フォールドした部分とフレキシブルな領域の両方が存在するタンパク質複合体では、IM-MS の過程ではフォールドした部分はほぼ保持され、フレキシブルな部分に構造の多様性があることが、 MD simulation で示された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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エアロゾル研究
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