研究課題
申請者は神経内分泌細胞の"ペプチドホルモンが分泌顆粒へ選別されるメカニズム"を解析する過程で、ホルモンを選別し分泌顆粒へ輸送するセクレトグラニンIII(SgIII)が高コレステロールである分泌顆粒膜に結合すること、細胞内コレステロール合成を阻害すると顆粒の形態不全が起こること、など顆粒膜コレステロールの重要性に遭遇した。本申請では、分子レベル、細胞レベル、個体レベルでのSgIII機能の解析を足掛かりに、神経内分泌組織である視床下部、下垂体、膵島での分泌顆粒形成におけるコレステロールの関与を明らかにし、コレステロール代謝とホルモン分泌のクロストークといった高次機能の解明を行うことを目標にしている。平成22年度は細胞レベルの解析としてSgIII発現抑制細胞の解析を行なった。野生型細胞と比較しSgIIIの発現が2~596まで減弱しているSgIII発現抑制細胞は、顆粒数が15%程度に減少すること、顆粒に対する蛍光コレステロールプローブの取り込みが弱いこと、約20%程度のホルモンが顆粒に運ばれる、所見を得た。この所見から申請者はホルモンが顆粒に運ばれる経路は複数あると考えた。現在はSgIII発現抑制細胞の顆粒中に別のグラニンタンパク質であるセクレトグラニンIIが局在していることを見出し、セクレトグラニンIIが顆粒にホルモンを運ぶかどうか検証している。また個体レベルの解析ではSgII吹損マウスを用いて、ホルモン分泌、顕微鏡下での顆粒数と形状を解析しつつあり、申請者は下垂体の分泌顆粒形状に異常があることを発見している。
すべて 2010 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Endocrinology
巻: 151 ページ: 4705-4716
Cancer Research
巻: 70 ページ: 4490-4498
Endocrine J
巻: 57 ページ: 275-286
Traffic
巻: Inpress
http://www.imcr.gunma-u.ac,jp/lab/secbio/
http://www.imcr.gunma-u.ac.jp/lab/secbio/page5/page5.html