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2010 年度 実績報告書

シアル酸を持つ遊離N型糖鎖の代謝におけるオートファジーの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22570148
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

鈴木 匡  独立行政法人理化学研究所, 糖鎖代謝学研究チーム, チームリーダー (90345265)

キーワード遊離糖鎖 / オートファジー / シアル酸 / 糖鎖代謝 / 細胞質 / リソソーム
研究概要

本年度はオートファジー欠損株における遊離糖鎖の詳細な構造解析を行うとともに、その生成についての分子機構の解析を行った。詳細な糖鎖構造については、中性糖およびシアル酸含有糖鎖とともに、当研究室で開発された逆相HPLCを用いた新規解析手法を用いて主要なものは糖の結合様式を含めてすべて詳細に決定することが出来た。また糖鎖の生成機構に関しては、(1)糖鎖構造がリソソーム病で見られる糖鎖構造と酷似していること(2)細胞質の脱糖鎖酵素の阻害によって糖鎖の減少が見られないことを考え合わせて、リソソーム由来であると考えられた。このことから、オートファジー欠損細胞に見られるシアロ遊離糖鎖はリソソームで作られ、オートファジーが欠損した時に細胞質に放出されることが判明した。実際、リソソーム膜上に存在するシアル酸の輸送体のsiRNAによるノックダウンによって、シアロ糖鎖の蓄積が顕著に減少するこが分かった。これらのことから、オートファジーはリソソームによって代謝されるべきシアロ糖鎖が細胞質に漏出しないマシナリーの維持に必須であり、オートファジーの欠損によってシアル酸輸送体の基質認識が甘くなり、本来細胞質に放出されないべきオリゴ糖鎖が細胞質に放出されていることが分かった。一方この細胞質シアロ糖鎖は細胞質シアリダーゼの発現によってその量が減少することから、哺乳動物細胞はシアロ糖鎖が細胞質に出現してもそれを非リソソーム的に代謝する機構を有することが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Free oligosaccharides in the cytosol : formation and degradation.2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木匡
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会大会/第83回日本生化学会大会合同大会(BMB2010)
    • 発表場所
      神戸(兵庫)
    • 年月日
      2010-12-10
  • [学会発表] Role of autophagy in the catabolism of sialylated N-glycans.2010

    • 著者名/発表者名
      J.Seino, K.Ishii, N.Mizushima, T.Suzuki(発表者:鈴木匡)
    • 学会等名
      Sialoglyco2010
    • 発表場所
      Posdam, Germany
    • 年月日
      2010-08-22
  • [学会発表] Free oligosaccharides in the cytosol : formation and degradation.2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木匡
    • 学会等名
      International Symsposium on organelle network : interface among infection-immunity, cell biology and glycobiology
    • 発表場所
      豊中(大阪)
    • 年月日
      2010-04-13
  • [学会発表] Free oligosaccharides :recent topics.2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木匡
    • 学会等名
      2^<nd> Japan/China Joint Symposium on Glycobiology
    • 発表場所
      和光(埼玉)
    • 年月日
      2010-04-07
  • [備考]

    • URL

      http://www.riken.jp/r-world/research/lab/frontier-rs/sys-gly/glyco/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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