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2011 年度 実績報告書

DNA-蛋白質ハイブリッドナノシステムを用いた多分子モータ間の協調機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 22570156
研究機関東京大学

研究代表者

多田隈 尚史  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (10339707)

キーワード生物物理 / 核酸 / 蛋白質 / ナノマシン / 1分子計測(SMD) / モーター蛋白質 / ナノシステム
研究概要

モータ蛋白質による輸送穎粒の分子間協調メカニズムを探るために、DNAの2次元ナノ構造物(DNA-tile)上に多数の蛋白質分子を固定した"DNA-蛋白質ハイブリッドナノシステム"を構築した。本年度は、キネシンモータ蛋白質をモデル蛋白質として用い、1-2種類の蛋白質をDNA-tile上の任意の場所に固定し、作製したナノシステムの活性を蛍光顕微鏡下で評価した。まず、1種類の2量体キネシン分子モータをDNA-tile上に結合させたところ、DNA-tile上に結合させた数に応じて、連続歩行距離が伸びる事を見出した。一方、速度には変化が見られなかった。従来、輸送小胞などに結合している分子数の変化が連続歩行距離と速度のどちらに寄与するのかが明らかでなかったが、分子数を厳密に制御できるDNA-蛋白質ハイブリッドナノシステムを用いる事で、キネシンにおいては、多数分子が同時に働く事の効果は、主にナノシステム全体をレールから解離しにくくする事に寄与する事が明らかになった。次に、ナノシステム中に機能の低下した分子がいた場合に、システム全体の活性がどのように変化するのかを明らかにするために、野生型のキネシンと共に、ATP加水分解活性が低い変異体をモデル分子としてDNA-tileの特定の場所に結合させた。その結果、変異体の割合が増えるにつれて、システム全体の活性が低下した。この結果から、現状のハイブリッドナノシステムでは、システム性能を高い状態で維持するためには、システムを構成する全ての分子の活性を高く保つ事が重要である事がわかった。これらの結果は、DNA-tile上の任意の場所に目的の蛋白質を固定させたハイブリッドナノシステムの構築と、システム全体の活性評価が可能である事を示しており、多分子協調メカニズムを探る手法の基礎が確立した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 設計して調整する分子アクチュエータ:DNA-蛋白質ハイブリッド・ナノマシンの構築2012

    • 著者名/発表者名
      多田隈尚史
    • 学会等名
      日本生化学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(招待講演)
    • 年月日
      2012-09-21
  • [学会発表] Constructing DNA-kinesin hybrid-nanomachine using the DNA-tile scaffold2012

    • 著者名/発表者名
      Miyazono Yuya, Endo Masayuki, Ueda Takuya, Sugiyama Hiroshi, Harada
    • 学会等名
      日本生物物理学会
    • 発表場所
      兵庫県立大学・姫路書写キャンパス(兵庫県)
    • 年月日
      2012-09-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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