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2011 年度 実績報告書

繊毛の根元に局在する新規ダイニンの構造と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22570157
研究機関東京大学

研究代表者

八木 俊樹  東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40292833)

キーワードダイニン / 鞭毛・繊毛 / ATP
研究概要

鞭毛・繊毛運動の基礎はモーター蛋白質ダイニンによる微小管の滑り運動である。鞭毛には異なる機能をもつ多種類のダイニンが存在する。その中で、根元にあって存在量が微量のマイナーダイニンは鞭毛の初期屈曲形成に関与する重要な働きをしている可能性が示唆されている。本研究では、このマイナーダイニンを単離精製する方法を確立し、その構造と機能を他のメジャータイプのダイニンと比較する実験を試みている。本年度は特異的抗体を用いたマイナーダイニンの精製法を検討した。まず、免疫沈降実験により抗体とダイニンの結合性を調べ、3種類あるマイナーダイニンのうち1種類についてその特異的抗体とダイニンの結合を確認した。次に、その抗体を用いてこのダイニンをガラスに機能的に固定する方法を検討し、微小管のin vitro motility assayの要領によりダイニンモーター活性を調べた。ATP非存在下にダイニンと微小管のrigor結合が確認できたが、そこにATPを添加するとほとんどの微小管がガラス面から解離した。滑り運動する微小管がごく少数だが観察されたことから、今回の実験では機能的にガラスに固定されたダイニンの数が非常に少ないことが考えられた。軸糸内のマイナーダイニンの存在量は他のメジャータイプのダイニンの10分の1程度と少ないので、今後、実験に用いる軸糸量を増やして十分なダイニン量を確保すれば、このダイニンの特性を調べる実験は飛躍的に進むと期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

この実験では3種類あるマイナーダイニンに対する特異的な抗体を用いるが、これまでに得られていた抗体は特異性が低く、そのうち1種類でしかダイニンの精製が成功していない。新たな抗体の作成が必要である。

今後の研究の推進方策

今後、ダイニンの精製に用いるに十分な結合力をもち、かつ、特異性の高い抗体を新たに作成して、マイナーダイニンの精製を行う。また、実験に十分な量のダイニンを精製するために、より多くの鞭毛軸糸を用いてダイニンの精製を行うことも検討している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cilia dysmotility and left-right axis defects due to mutations in axonemal dynein assembly factor PF22 (DNAAF3) in primary ciliary dyskinesia2012

    • 著者名/発表者名
      Mitchison HM, Schmidts M, Loges NT, Freshour J, Dritsoula A, Hirst RA, O'Callaghan C, Blau H, Dabbagh MA, Olbrich H, Beales PL, Yagi T, Mussaffi H, Chung EMK, Omran H, Mitchell DR
    • 雑誌名

      Nature Genetics

      巻: 44 ページ: 381-389

    • DOI

      doi:10.1038/ng.1106

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A unified taxonomy for ciliary dyneins2011

    • 著者名/発表者名
      Hom EFY, Witman GB, Harris EH, Dutcher SK, Kamiya R., Mitchell DR, Pazour GJ, Porter ME, Sale WS, Wirchell M., Yagi T., King SM.
    • 雑誌名

      Cyoskeleteon

      巻: 68 ページ: 555-565

    • DOI

      doi:10.1002/cm.20533

    • 査読あり
  • [学会発表] Communication between Flagellar Outer and Inner Dynein Arms2011

    • 著者名/発表者名
      Oda T., Yagi T., Kikkawa M.
    • 学会等名
      ASCB annual meeting
    • 発表場所
      Denver, Cololado, USA
    • 年月日
      2011-12-05

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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