研究課題
本研究では、電子顕微鏡による画像解析法を活用し、遺伝学的機能解析および生化学的解析とうまく組み合わせることで、べん毛蛋白質輸送装置のダイナミックな離合集散の分子機構を解明することを目指している。本年度の主な成果は以下に示す。1. FliHのN末近傍領域に存在する非常に保存された2つのトリプトファン残基の位置に光感受性のフェニルアラニン誘導体を導入し、in vivoで光架橋反応を行った結果、これら2つのトリプトファン残基が輸送ゲート構成蛋白質FlhAの膜貫通領域近傍に位置することが判明した。さらに、遺伝学的機能解析から、FliHとFlhAの相互作用によりFliIが効率よく輸送機能を発揮できることが示唆された。2. Phe72およびLeu76はFliJの分子表面に露出しており、FliJオーソログ間で非常に高く保存されている。FliH-FliI複合体が存在する場合には、FliJ(F72A)およびFliJ(L76A)は機能したが、FliH-FliI複合体が存在しない場合にはこれらの変異型FliJは機能しなかった。F76AおよびL76A変異により、FliJ-FlhA相互作用は著しく阻害されたが、FliJ-FliI相互作用は阻害されなかった。3. 極低温電子線トモグラフィー法によりin situでの輸送装置の構造解析を行った結果、FliIリング複合体はFliHを介してべん毛基部に局在することが明らかとなった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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J. Bacteriol.
巻: 195 ページ: 466-473
doi: 10.1128/JB.01711-12.
巻: 194 ページ: 5353-5360