研究概要 |
1 Twitchinによるアクチン-ミオシンフィラメント間相互作用制御の普遍性 これまでに開発した二枚貝の筋肉のキャッチ状態(アクティブな収縮後の高張力状態)を再構成する手法を二枚貝以外の主要な綱に属する軟体動物の種から得た組織にも適用した。これらの組織には筋肉細胞も含まれているとされている。特にtwitchin等の蛋白質を精製しなくても判別可能な簡便手法も見出しており(Yamada et al.,2004,J.Biol.Chem.,279,40762-40768.)、この手法を改良して適用することによって効率的に研究を進め、これらの動物種にも二枚貝の筋肉のものと同様のフィラメント間相互作用制御機構が存在することを示した。このことにより、この制御機構がこれまでに考えられている以上に普遍的であることが明らかになった 2 微小力測定用光学顕微鏡システムの構築 二枚貝の筋肉のキャッチ状態におけるアクチン-ミオシンフィラメント間相互作用の分子機構には不明な点が多い。これを明らかにするためには、このフィラメント間結合を破断するために必要な力を様々な条件で計測し、比較検討することが有効であると考えられる。そのために必要となる、微小力測定実験システムを構築した。倒立顕微鏡微のステージ上にマイクロマニピュレーターを設置し、ガラス微小針を保持してこれを精密に移動させることができるものである。このシステムによって、蛋白質間結合などに外力を加えて結合の破断が起こるまでの時間や力を計測することが可能となった。
|