研究課題
「キャッチ状態」においてアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが結合した状態で非常にゆっくりではあるがミオシンがATPを加水分解するということから、ミオシン頭部がこの結合に関与しているということが示唆され、このことを学術雑誌 Journal of Muscle Research and Cell Motility に発表した。一般に、二枚貝の貝柱は、有紋筋部分と平滑筋部分とから成っており、前者は後者よりも収縮が速く収縮時のエネルギー消費が大きいことが分かっている。「キャッチ状態」においても、前者のほうがエネルギー消費が大きいことも明らかとなり、このことが、二枚貝の進化の上で、貝柱において有紋筋部分だけでなく平滑筋部分も発達してきたことと関係づけて考えることができた。さらに、ミオシン頭部が「キャッチ状態」のフィラメント間の結合に関与しているこのことを直接検証するために、この結合の破断力を測定する実験系の構築を進めた。二枚貝平滑筋のパラミオシンやキャッチンは太くて長いフィラメントを形成し、その表面にミオシンを結合させることができるので、これらのフィラメントの表面にミオシンと twitchin を結合させたものを光学顕微鏡用カバーガラス表面に吸着させ、ガラス微小針に保持したアクチンフィラメントを相互作用させられれば、ガラス表面の影響を受けずに「キャッチ状態」の結合の破断力計測が可能となると考えられる。ミオシンの代わりにパラミオシンを用いた場合にも twitchin のリン酸化状態依存的な結合を生じさせることに成功しており、さらにミオシン頭部の有無が破断力に与える影響を調べている。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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J. Muscle Res. Cell Motil
巻: Vol. 34, No. 2 ページ: 115-123
DOI:10.1007/s10974-013-9339-8
http://www2.nict.go.jp/advanced_ict/bio/w131102/index.html