NF複合体は、c-fos遺伝子の上流とコアプロモーターに作用し転写を活性化する。NF45、NF90及びNF110をノックダウンすると、血清によるc-fos遺伝子の転写誘導が低下した。また、クロマチン免疫沈降より、NF複合体はc-fosのエンハンサーとプロモーター上では、遺伝子誘導前後で存在するが、遺伝子の内部では、RNAポリメラーゼIIと同様に転写活性化に伴って存在量が変化することが分かった。これらのことより、NF複合体はc-fos遺伝子の誘導時に転写コアクチベーターとしてのみならず、遺伝子発現の各段階を統括していることが示唆された。
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