研究課題/領域番号 |
22570169
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 牧 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20400690)
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キーワード | Non-B DNA / AID / 免疫グロブリン |
研究概要 |
免疫グロブリンのクラススイッチを引き起こすAIDは、DNAのトポロジーを保つために必須のTopoisomerase I (TopI)の減少を引き起こすことを我々は報告していた。AIDによるTop1の減少については、これまでに主に翻訳の抑制機構が働くものと考えられたため、miRNAがAIDによりなんらかの制御を受けて、Top1のmRNAに結合することを予測した。AIDによりTop1が減少するCH12細胞の細胞溶解液と、BrUでラベルされたTop1遺伝子を含むRNA probeを用いて、一般的なmiRNAのキャリア蛋白質であるAgo2がTop1の特定の3'UTR部分にin vitroで結合している証拠を得た。また、あらかじめ4-thiouridineをTop1の3'UTRに取り込ませ、in vivoでUVクロスリンクを行う事により、たんぱく質とRNAの結合部位で特異的にthiouridineがcytidineに変換されることを利用して、Ago2とTop1の特定の3'UTR部分との結合を、RNA免疫グロブリン沈降法を用いて確認したところ、in vitroの結合部位と一致してAID依存性に結合が認められた。一方、AIDが行う免疫グロブリン遺伝子の改変のうち、体細胞突然変異においてもTopIのたんぱく質量と転写が重要であると考えられてきたが、2011年度中にTop1による体細胞突然変異での役割について、実際に証明する事ができたため、論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画のうち、Ago2とTop1 3'UTRの結合を実証することができ、miRNAのターゲットとなっているTop1 3'UTRの配列絞り込みにも成功した。現在miRNAの編集について検討を進めており、今年度中に当該miRNAを同定できる可能性が高い。
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今後の研究の推進方策 |
RNA編集の同定については次世代シークエンシング技術を活用する。
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