研究概要 |
ヒストンメチル化酵素が非ヒストンタンパクを修飾してその機能を制御することが報告されており、リジン残基メチル化に対する関心はヒストンだけに留まっていない、我々は、SET9がp300/CBP-associated factor(PCAF)の複数のリジン残基をIn vitroおよびIn vivoでメチル化することを明らかにし報告した。その機能的意義を明らかにするための研究を進め、これまでに、PCAFが有するp53やヒストンH3に対するアセチル化活性がK89のメチル化によって阻害されること、一方、このメチル化はPCAFの自己アセチル化には影響しないこと、などをIn vitroにおいて明らかにした。 また分担研究者らは、MIBP1(別名HIVEP2, Schnurri2)の発現調節機能をマイクロアレイで解析した結果NF-kBパスウェイ遺伝子の抑制が最も顕著であり、また、発現抑制される遺伝子の転写開始点上流にはNF-kB認識配列が有意に多く含まれていることを明らかにした。MIBP1がNF-kBサイトに結合することをゲルシフト実験によって確認し、さらに、内在性MIBP1発現をRNAiで抑制することにより、NF-kB認識配列を持つ遺伝子群の発現上昇が起こることを見出した。これらの結果より、MIBP1がNF-kBパスウェイの抑制因子であると結論し、さらに糖転移酵素OGTによる本因子の修飾の影響も検討し。論文発表した。
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