研究課題
1.RAMP-GPCR間のin vivo 光クロスリンクRMAP2とカルシトニン受容体様受容体(CRLR)の複合体構造および細胞膜上での相互作用様式についてX線結晶構造解析法とin vivo光クロスリンク法を用いて解析した。その結果、RAMP2の2本のαヘリックス(α2,α3)とCRLRのN末端のαヘリックスが互いに垂直に重なって相互作用していることが明らかになり、また、生細胞膜上でも両者が同様の構造を取って相互作用していることが示唆された。また、RAMP1とCRLRの相互作用様式についても同様に解析し、RAMP2を用いて得られた結果と比較したところ、両者とも構造上ホモロジカルな位置でクロスリンクが形成されたことから、CRLRはRAMP1およびRAMP2と同様の様式で相互作用していることが示唆された。さらに、本研究成果を応用し、インターロイキン5とその受容体、CD38二量体の相互作用様式についてin vivo光クロスリンク法によって解析し、その成果を報告した(Prot. Sci. 2012, Structure 2012)。2.鎖長の長いクロスリンカーの開発とタンパク質への導入RAMPと相互作用するGPCRを広く探索するため、鎖長が長くフレキシブルな構造を持つ新規光クロスリンカーであるトリフルオロメチルジアジリニルZリジン(tmdZLys)をタンパク質に部位特異的に導入し、相互作用因子と広範囲でクロスリンクさせる方法を開発した。実際に、GRB2タンパク質のSH2ドメインの様々な箇所にtmdZLysを導入して既知の結合因子であるEGFRとのクロスリンク効率を調べた結果、tmdZLysはこれまで用いていた光クロスリンカーであるパラベンゾイルフェニルアラニンと比較して広い範囲でクロスリンクすることを示し、この成果を報告した(Mol. Biosyst. 2012)。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
Structure
巻: 20 ページ: 1585-1595
DOI:10.1016/j.str.2012.06.017.
Protein Sci
巻: 21 ページ: 850-864
DOI:10.1002/pro.2072.
Molecular Biosystems
巻: 8 ページ: 1131-1135
10.1039/c2mb05321g.