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2010 年度 実績報告書

Wnt/Ror2シグナルと細胞応答、組織形成機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22570197
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

大石 勲  独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究員 (50314472)

キーワードゼブラフィッシュ / 形態形成 / Wnt / Ror / HMGB / 左右形成 / 受容体型チロシンキナーゼ / クロマチン因子
研究概要

Wntは形態形成や再生等多様な機構に関わる分子であり、そのシグナル伝達機構の解明は発生の理解、疾患の病態の理解や治療に繋がると考えられる。Wntシグナルは多岐に渡り、多くのジグナル伝達因子を含んでいるが、本年度はゼブラフィッシュを用いて受容体型チロシンキナーゼRorを解するWntシグナルならびにクロマチン因子HMGB1,2とWntシグナルの関係を解析した。Wntレポーターフィッシュ胚を用いてRor2をモルフォリノアンチセンスオリゴにて抑制すると後局側のWntシグナルの顕著な活性化が認められる。一方、中脳領域におけるWntシグナルは減弱するが、組織形成不全の可能性が残される。類縁のRor1の抑制では後局、中脳領域とも顕著な異常は認められない。また、Ror2の抑制に伴いほぼ半数の個体で左右形成の異常が認められた。左右形成に関わるspawなども異所的発現を呈する個体が頻出し、その原因解析を行った。Ror2の抑制個体のクッパー胞内では一次繊毛形成の異常が認められ、数の減少や形成不全がおこり、Ror2/non-canonical Wntシグナルがどのようなメカニズムで一次繊毛形成に関わるか興味が持たれる。また、canonical Wntシグナルの制御に関わるクロマチン因子HMGB1,2と形態形成について解析を行った.Ror2とは逆にHMGB1,2の抑制によりWntレポーターフィッシュはWntシグナルの顕著な抑制が認められる。更に、HMGB1,2の抑制により体軸形成の異常や付属肢の形成不全が認められる。付属肢の形成不全についてはノックアウトマウスの解析からHmgb1-/-;Hmgb2+/-個体で前肢の第5指が欠損するshhシグナルを介したメカニスムを見出した。ゼブラフィッシュにおいてもshhの発現領域の現象が認められ、広く哺乳類の付属肢形成に関わるシグナル系と考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] HMGB factors are required for posterior digit development through integrating signaling pathway activities.2011

    • 著者名/発表者名
      Itou J, Taniguchi N, Oishi I, Kawakami H, Lotz M, Kawakami Y.
    • 雑誌名

      Developmental Dynamics

      巻: 240 ページ: 1151-1162

    • 査読あり
  • [学会発表] mlc2a-Kaedeゼブラフィッシュを用いた心筋再生可視化と定量化の試み2010

    • 著者名/発表者名
      大石勲、伊東潤二、川上泰彦
    • 学会等名
      日本小型魚類研究会
    • 発表場所
      浦和市プラザイースト
    • 年月日
      2010-09-19

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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