研究課題
大部分の視神経線維は視蓋の浅層を走りその標的近くで視蓋深部に向かう。エレクトロポレーション法に、トランスポゾンのシステムを応用し、Venus遺伝子をゲンムに組み込ませる視神経線維のラベル法の開発により、今まで知られてなかった視蓋の深層を走る視神経線維のグループが発見された。そこで、平成22年度にはこの深部を走るグループを詳細に調べた。これらの線維は最初から視蓋深部を走行し、腹側網膜からの線維は視蓋背側に多く見られるという網膜視蓋投射パターンに相当する分布を示したが、艀化の頃には消失する一過性のものであることがわかった。Er81のmRNAの発現は視蓋に視神経が進入する頃のE7に始まり、SGFSのh-j層に特異的に見られた。免疫組織科学的にEr81タンパク質の発現を見ると、E7,E8では発現が見られず、E9で発現が開始した。E7,E8では負の翻訳制御を受け、最終目的地に達してから発現が開始すると考えられる。このEr81の発現している層はParvalbuminの発現層と一致し、Er81を強制発現すると、Parvalbumin発現を誘導した。Er81を強制発現すると、Er発現細胞は神経上皮にあるときからParvalubuminを発現し、上皮内にトラップされることが多く、層形成へのEr81の役割については解析は難しい。神経細胞へと分化し、最終位置まで移動する過程でEr81を発現すると都合が悪いので、翻訳抑制がかかっているものと思われる。
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