研究課題/領域番号 |
22570217
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
今井 清博 法政大学, 生命科学部, 教授 (50028528)
|
研究分担者 |
松尾 高稔 法政大学, マイクロ・ナノテクノロジー研究センター, 研究員 (00500737)
中川 太郎 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 助手 (30401889)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | ヘモグロビン / 分子進化 / 祖先型蛋白質 / 魚類 / 円口類 |
研究概要 |
脊椎動物のヘモグロビン(Hb)が分子進化の過程において酸素結合協同作用などの高次機能を獲得した機構について新たな知見を得ることによって、自然が行った蛋白質分子設計の原理を読み取ることを目的とする。 前年度までは、最尤系統樹(ML-tree)を作成し、それをもとに硬骨魚類および円口類の祖先型Hbのアミノ酸配列の推測とHb遺伝子の設計、それらの遺伝子の合成、大腸菌を宿主とした発現系の構築を試みた。その結果、硬骨魚類の祖先型HbであるAncfHb(Ancestral fish Hb)のα鎖遺伝子Node296αおよびβ鎖遺伝子Node203β、さらには円口類の祖先型HbであるNode23およびNode25遺伝子の発現系の構築に成功した。 本年度は、これらの発現系による各種組換え型蛋白質(AncfHb、Node296α、Node203β、Node23およびNode25)の大量発現、精製およびそれらの精製標品を用いた機能解析を行った。今井式酸素解離曲線自動記録装置を用いてAncfHb精製標品の機能解析を行った結果、pHがアルカリ側から酸性側へ変化するに従って大幅に酸素親和性が減少し、Bohr効果が存在することが明らかにされた。また、Hill係数値が2ぐらいの協同性作用を有していること、アロステリック因子であるATP存在下においてのみ強いアロステリック効果を示すことが分かった。かくして、AncfHbは、硬骨魚類に特徴的な性質を示した。Node23およびNode25蛋白質ともにBohr効果を示した。またヤツメウナギの天然型Hbとは異なり、低い蛋白濃度でもHill係数値が1.5程度の協同性がみられた。また、Node25蛋白質では天然型Hb同様にアロステリック因子による効果がみられないものの、Node23蛋白質ではATP、IHP、DPGの各因子による効果が観察された。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|