逆分子進化法によるヘモグロビン進化過程の解明

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22570217
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 進化生物学
• 研究機関: 法政大学
• 研究代表者: 今井 清博 法政大学, 生命機能学部, 教授 (50028528)
• 研究分担者: 松尾 高稔 法政大学, マイクロ・ナノテクノロジー, 研究員 (00500737) ; 中川 太郎 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 助手 (30401889)
• 連携研究者: 長井 雅子 (60019578)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: ヘモグロビン / 分子進化 / 祖先型蛋白質 / 硬骨魚類 / 円口類

研究概要

脊椎動物の祖先型ヘモグロビン(Hb)が分子進化の過程において高次機能を獲得するべく自然が行った蛋白質分子設計の原理を読み取ることを目的とする研究を行った。硬骨魚類ならびに円口類の祖先型Hbの遺伝子を設計・合成し、それを大腸菌内で発現させて目的の祖先型Hbを得た。硬骨魚類の祖先型Hbは、ルート効果を示唆する強いボーア効果と弱い協同作用を示し、硬骨魚類に特有の特性をもつことが分かった。円口類祖先型Hbは弱いボーア効果と協同作用を示し、これらの効果がみられない天然型ヤツメウナギHbと対照的であった。

研究成果

• [雑誌論文] Near-UVcircular dichroism and UV resonance Ramanspectra of individual tryptophan residues inhuman hemoglobin and their changes uponthe quaternary st (2012)
  • 著者名/発表者名: Nagai, M, Nagatomo, S, Nagai, Y, Ohkubo,K, Imai, K, and Kitagawa, T.
  • 雑誌名: Biochemistry 巻: 51 ページ: 5932-5941
  • 査読あり
• [雑誌論文] Relationship between oxygen affinity and autoxodation of myoglobin. (2012)
  • 著者名/発表者名: Shibata, T, Matsumoto, D;, Nishimura, R, Tai, H, Matsuoka, A, Nagao, S, Matsuo, T, Hirata, S, Imai, K, Neya, S, Suzuki, A. and Yamamoto, T.
  • 雑誌名: Inorg. Chem 巻: 51 ページ: 11955-11960
  • 査読あり
• [雑誌論文] Allosteric models of hemoglobin, still evolving, In Hemoglobin: Recent Developments and Topics (2011)
  • 著者名/発表者名: H. Fujimoto and K. Imai
  • 雑誌名: Research Signpost, Kerala, India (M. Nagai, ed.) ページ: 161-177
  • 査読あり
• [雑誌論文] Determination of oxygen binding properties of the individual subunits of intact human adult hemoglobin (2011)
  • 著者名/発表者名: A. Sato, H. Tai, S. Nagatomo, K. Imai and Y.Yamamoto
  • 雑誌名: Bull. Chem. Soc. Jpn 巻: 84 ページ: 1107-1111
  • 査読あり
• [雑誌論文] Molecular insight into intrinsic heme distortion in ligand binding in hemoprotein (2010)
  • 著者名/発表者名: S. Neya, M. Suzuki, T. Hoshino, H. Ode, K. Imai, T. Komatsu, A. Ikezaki, M. Nakamura,Y. Furutani and H. Kandon
  • 雑誌名: Biochemistry. 巻: Vol. 49 ページ: 5642-5650
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effect of heme modification on oxygen affinity of myoglobin and equilibrium of the acid-alkaline transition in metmyoglobin (2010)
  • 著者名/発表者名: T. Shibata, S. Nagao, M. Fukaya, H. Tai, S.Nagatomo, K. Morihashi, T. Matsuo, S. Hirota, A. Suzuki, K. Imai and Y. Yamamoto
  • 雑誌名: J. Am. Chem. Soc. 巻: Vol. 132 ページ: 6091-6098
  • 査読あり
• [雑誌論文] Differences in coordination states of substituted tyrosine residues and quaternary structures among hemoglobin M probed by resonance Raman spectroscopy (2010)
  • 著者名/発表者名: Y. Aki, M. Nagai, Y. Nagai, K. Imai, M. Aki, A. Sato, M. Kubo, S. Nagatomo and T. Kitagawa
  • 雑誌名: J. Biol. Inorg. Chem. 巻: Vol. 15 ページ: 147-158
  • 査読あり
• [学会発表] ヒトヘモグロビンの酸素結合機能にお ける近位ヒスチジンの役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 丸山夏未,安芸弥生,長井幸史,今井清博,長友重紀,小倉尚志,北川禎三,長井雅子
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会(2P-357
  • 発表場所: 福岡国際会議場,マリンメッセ 福岡,福岡県
  • 年月日: 20121214-1216
• [学会発表] ヒトヘモグロビンのβ145Tyr の Thr または Leu への置換が機能と構造に与える影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 一居桃子,長井幸史,今井清博,長井雅子
  • 学会等名: 第50回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 名古屋大学,愛知県
  • 年月日: 20120922-24
• [学会発表] ヒトヘモグロビンのα鎖の近位ヒスチジンのグリシンへの置換が構造と酸素結合機能に与える影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 安芸弥生,長井幸史,今井清博,長友重紀,小倉尚志,北川禎三,長井雅子
  • 学会等名: 第50回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 名古屋大学,愛知県
  • 年月日: 20120922-0924
• [学会発表] ヘモグロビンの自動酸化速度に対する糖類の効果 (2012)
  • 著者名/発表者名: 上原 航,今井清博
  • 学会等名: 第50回日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 名古屋大学,愛知県
  • 年月日: 20120922-0924
• [学会発表] 硬骨魚類の祖先型 ヘモグロビン遺伝子の設計・合成および その大腸菌内発現 (2012)
  • 著者名/発表者名: 杉山 将, 松尾高稔, 関 一葉, 長井幸史, 中川太郎,今井清博
  • 学会等名: 第50回日本生物物 理学会年会
  • 発表場所: 名古屋大学愛知県
  • 年月日: 20120922-0924
• [学会発表] トリプトファンの 近紫外円二色性及び紫外共鳴ラマンに基 づ くヘモ グロビ ンの 四次構 造変化 の解 明 (2012)
  • 著者名/発表者名: 長井雅子,長友重紀,長井幸史,大久保賢一, 今井清博,北川禎三
  • 学会等名: 第39回生体分子科学討論会要旨集
  • 発表場所: 東北大学,宮城県
  • 年月日: 20120608-0609
• [学会発表] 硬骨魚類の祖先型ヘモグロビン Node296α・Node203β 遺伝子設計・合成お よび大腸菌内発現 (2012)
  • 著者名/発表者名: 杉山 将,松尾高稔,関 一葉,中川太郎,今井 清博
  • 学会等名: マイクロ・ナノテクノロジー研究センター開設 10 周年記 念シンポジウム
  • 発表場所: 法政大学,東京都
  • 年月日: 2012-10-13
• [学会発表] ヤツメウナギ由来の祖先型ヘモグロビン遺伝子(node25)の発現系構築 (2012)
  • 著者名/発表者名: 幕晋一,松尾高稔,中川太郎,今井清博
  • 学会等名: マイクロ・ナノテクノロジー研究センター開設10周年記念シンポジウム
  • 発表場所: 法政大学,東京都
  • 年月日: 2012-10-13
• [学会発表] Expression of ancestral Cyclstomes hemoglobin Node23 gene in Escherichia coli (2012)
  • 著者名/発表者名: 松尾高稔,喜多かつら,尾澤雄太,中川太郎,今井清博
  • 学会等名: マイクロ・ナノテクノ ロジー研究センター開設10周年記念シンポジウム
  • 発表場所: 法政大学東京都
  • 年月日: 2012-10-13
• [学会発表] ミオグロビンの機能調節機構の解明 (2011)
  • 著者名/発表者名: 西村龍、松本大地、西山康太郎、柴田友和、深谷昌史、太虎林、長尾聡、松尾貴史、廣田俊、鈴木秋弘、今井清博、石上泉、小倉尚志、根矢三郎、庄司長三、渡辺芳人、山本泰彦
  • 学会等名: 第38回生体分子科学討論会
  • 発表場所: 筑波大学,茨城県
  • 年月日: 2011-06-23