研究課題
最終年度の平成24年度は,現地調査により得られた資料と衛星画像およびGISを利用して研究のとりまとめを行い論文を執筆した.現地調査は東アフリカのタンザニア共和国西部のサバンナウッドランド(乾燥疎開林)地帯で行った.主な調査地としたウガラ地域のングェの調査地内にトランセクトラインを設けて植物と動物のセンサスを行った.同地域のサバンナウッドランドには乾季に落葉する樹高約20mの樹木がまばらに生え,林床にはイネ科草本が生えていた.同地域では,このサバンナウッドランドが面積の大半を占め,川辺林等の常緑林や草地が数%の面積割合で点在していた.ングェの調査地内には,サバンナ性の哺乳類と森林性の哺乳類が共に生息していた.昼行性霊長類についても,サバンナ性のアヌビスヒヒ,キイロヒヒとともに,森林性のアカオザル,ブルーモンキー,チンパンジーらが生息していた.また,短期間訪れたカボコ地域にもチンパンジーは生息していた.チンパンジーの生息する環境を,発見ベッドの分布と衛星画像および地形図からGISを利用して分析した結果,チンパンジーのベッドは常緑林の多い場所と傾斜地に多かった.ほぼ常緑林内のみで発見されるアカオザルとブルーモンキーのみならず,チンパンジーの生息にも常緑林の有無が影響していた.採集した糞から抽出したDNAの変異を分析すると,タンザニアのチンパンジーは比較的少数の個体が中央アフリカの熱帯雨林から拡散してきたものであることが示唆された.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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African Study Monographs
巻: 33(4) ページ: 233-250
霊長類研究
巻: 28 ページ: 3-12
10.2354/psj28.002
Primate Conservation
巻: 26 ページ: 1-8
http://ugallaareatanznia.weebly.com/