研究課題/領域番号 |
22570225
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
新岡 正 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (20123953)
|
研究分担者 |
田中 豪一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (10167497)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 生理的多型 / 生理人類学 / 高次脳機能影響評価 / 高精度計測システム / 生物・生体工学 / 脳酸素動態 / 心理・性格特性 / 心臓血管系反応 |
研究概要 |
本研究は、環境中の刺激因子として主として騒音を取り上げ、騒音が存在する場合の高次脳機能に及ぼす影響が騒音の強さレベルに依存してどのように変化するのかに注目し、特に心理・性格特性の関わりに着目して明らかにしようとするものであり、個体差の原因解明と、高次脳機能に及ぼす影響の全体像を明らかにすることを目的としている。本年度においては、65dB(A)の騒音が負荷されている条件のもとで、認知課題2回連続遂行(2回目のみ騒音負荷)において、認知課題成績、脳酸素動態(酸素化ヘモグロビン濃度、脱酸素化ヘモグロビン濃度、総ヘモグロビン濃度)、および心臓血管系反応(血圧および心拍数)について、1回目の結果を基準とした2回目の変化量を求め、これを騒音無負荷の変化量と比較することにより増加変化量を得て、個体差を生じさせる背景因子としての心理・性格特性との関係性に重点を置いて解析した。結果として、前額部のdeoxy-Hbが騒音の影響で減少する者では解答数、正答率等の課題成績が向上し、逆に増加する者では、成績が低下することが明らかとなった。また、平均反応時間および平均動作時間は、それぞれ特性不安尺度 (STAI-P) および モーズレイ性格検査神経症的傾向尺度得点が高得点の者ほど騒音により延長することが明らかとなった。更に、deoxy-Hbの“増加変化”は、心拍数および収縮期血圧の“増加変化”とストレス自己評価尺度得点によって説明可能であり、また、顕在性不安検査得点とSTAI-Pはそれぞれ心拍数と収縮期血圧の“増加変化”の一部を説明できることが明らかになった。これらのことから課題成績への65dB(A)騒音の影響としては、背景として個人毎の性格特性によって騒音の影響が異なり、反応時間等においてはそれが直接表出し、また、正答率等においては脳酸素動態さらには心臓血管系反応を介して表出することが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|