• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

機能性身体症候群における精神生理学的評価と心理的評価を用いた病態の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22570228
研究機関関西医科大学

研究代表者

神原 憲治  関西医科大学, 医学部, 講師 (90440990)

研究分担者 福永 幹彦  関西医科大学, 医学部, 教授 (90257949)
キーワード機能性身体症候群 / Functional somatic syndromes / ストレスプロファイル / 心身症 / アレキシソミア
研究概要

身体疾患を呈するが、その主観的訴えと客観的評価の間に乖離が大きい一連の疾患群は、Functional somatic syndrome(FSS;機能性身体症候群)と呼ばれ、心身両面にわたるさまざまな問題から、その病態と対応方法の検討が求められている。本研究では、ストレスに対する自律神経系機能に関連する指標の反応をみる「精神生理学的ストレスプロファイル」のFSSにおける特徴を検討し、心理テストを用いた心理的評価と併せた病態仮説の構築と、それを基にしたアプローチの提唱を目的としている。
前年度に引き続き、研究計画に基づいて、FSS患者群と健常対照群を対象に、ストレスプロファイルの測定、心理テスト及び主観的感覚についての評点、半構造化面接を行った。本年度の症例数は、患者群42例、健常対照群16例であった。また、今年度は生理指標のみでは安定性に問題が生じることも考慮し、自律神経機能に関連する生化学的指標であり、かつ、生理指標に近い比較的即時的な応答が見込まれる指標として、唾液アミラーゼの測定も行った。FSS患者群25例、健常対照群20例について測定し、心理指標との関連性も検討した。
以上をこれまでのデータと合わせて解析を行い、本年度に明らかになったことは以下の通りである。(1)FSSにおける精神生理学的指標のメンタルワークストレスに対する反応には、少なくとも3つのクラスターが存在し、それぞれに特徴がみられる。(2)客観的生理指標と主観的感覚との関係では、FSS群では健常対照群に比べて乖離が大きく、乖離の内容は(1)のクラスターによって異なる。このような乖離はアレキシソミア(失体感症)との関連も示唆される。(3)FSS群では唾液アミラーゼ値が健常群に比べて高く、アレキシサイミア(失感情症)傾向とも関連している。
このうち、(2)(3)については論文作成を行い、現在投稿中である。(1)については学会発表を行った。その内容につき来年度に論文作成の予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データ測定、解析とも、ほぼ予定通り進行している。

今後の研究の推進方策

今後は、研究目的、研究計画に基づいてデータ解析を続けるとともに、解析結果の論文作成を進める。現在は線形的解析を行っているが、それだけで十分な結果が得られない場合は、非線形的解析も検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] アレキシソミア概念の再考と検証の試み2012

    • 著者名/発表者名
      神原憲治
    • 学会等名
      第52回日本心身医学会近畿地方会
    • 発表場所
      大阪・大阪大学中之島センター
    • 年月日
      2012-02-25
  • [学会発表] 精神生理学的ストレスプロファイルからみる心身相関2011

    • 著者名/発表者名
      神原憲治
    • 学会等名
      第16回日本心療内科学会総会
    • 発表場所
      東京・東京国際交流館
    • 年月日
      2011-11-26
  • [学会発表] A Reconsideration of the Concept of "Alexisomia"2011

    • 著者名/発表者名
      Kenji Kanbara, Haruhiko Murakawa, Mikihiko Fukunaga
    • 学会等名
      The 21st World Congress on Psychosomatic Medicine
    • 発表場所
      Seoul, Korea
    • 年月日
      2011-08-25
  • [学会発表] アレキシソミアについての再検討の試み2011

    • 著者名/発表者名
      神原憲治, 村川治彦, 福永幹彦
    • 学会等名
      第52回日本心身医学会総会
    • 発表場所
      横浜・パシフィコ横浜
    • 年月日
      2011-06-10

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi