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2010 年度 実績報告書

南米全域のモンゴロイド系先住民族における遺伝的差異の比較解析

研究課題

研究課題/領域番号 22570231
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

檀上 稲穂  独立行政法人理化学研究所, 細胞材料開発室, 協力研究員 (30415228)

キーワード南米 / 先住民族 / B-LCL / 少数民族 / ゲノム解析 / リソース
研究概要

本課題研究に先立ち、報告者は、南米全土におよぶ純粋なモンゴロイド系少数民族の血液検体よりB細胞株500個体分を樹立した。血液検体は有限の研究材料であり、そのまま使用すればすぐに尽きてしまうリソースである。報告者が樹立した南米検体にはすでに滅亡し収集しなおすことのできない部族等も含まれており、B細胞株の樹立は、尽きることのない遺伝資源を確保するために非常に重要である。B細胞株は長期間培養後でも正常な染色体核型を保持することが知られており、ゲノム構造を安定に保つと考えられてきた。しかし、B細胞株のゲノム安定性に関して高解像度で網羅的なゲノム解析はこれまでにほとんど行われておらず本研究課題のような遺伝学的解析にB細胞株を使用することを不安視する研究者も多い。
そこで報告者は本年度の研究として、まず、マイクロアレイを用いてB細胞株の網羅的なゲノム安定性解析を行った。その結果、B細胞株樹立過程で発生したと考えられるリアレンジメントはほとんど検出されず、B細胞株の遺伝資源としての有用性を示すことができた(この成果は、報告書提出時点で論文雑誌に投稿中である)。
マイクロアレイ解析によりB細胞株のゲノム安定性が確認できたことを受け、本年度は部族間比較解析のための準備に着手した。解析対象のゲノム領域としてマイクロサテライト多型を用いることを計画しており、本年度は法医学的マーカーについてデータの取得を進めている。本報告書提出時点で、全てのB細胞株について、個体識別に使用される法医学的マーカーおよびY染色体上の法医学的マーカーのデータ取得が完了している。
次年度は、マーカーの種類を増やすとともにこれらのデータを用いて南米各部族の類縁関係の解析を進め、解析に適したマーカーの絞り込みを行う予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 理研細胞バンクにおける細胞の品質管理と標準化2010

    • 著者名/発表者名
      檀上稲穂、中村幸夫
    • 雑誌名

      Tissue Culture Research Communications

      巻: 29 ページ: 40-41

  • [学会発表] 南米モンゴロイド系先住民族コレクションより樹立したB細胞株のゲノム安定性2010

    • 著者名/発表者名
      檀上稲穂、西條薫、永吉満利子、中村幸夫
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20101207-10
  • [学会発表] 南米モンゴロイド系先住民族コレクションより樹立したB細胞株のゲノム安定性2010

    • 著者名/発表者名
      檀上稲穂、西條薫、永吉満利子、中村幸夫
    • 学会等名
      日本人類学会
    • 発表場所
      北海道伊達市
    • 年月日
      20101001-1003
  • [学会発表] Collection of peripheral blood mononuclear cells obtained from Amerindians and other Mongoloid minority groups.2010

    • 著者名/発表者名
      Inaho Danjoh, Kaoru Saijo, Kaoru Fukami-Kobayashi, Yukio Nakamura
    • 学会等名
      The American Society of Human Genetics Annual Meeting
    • 発表場所
      米国ワシントンD.C.
    • 年月日
      2010-11-04
  • [学会発表] 理研細胞バンクにおける細胞の品質管理と標準化2010

    • 著者名/発表者名
      檀上稲穂、中村幸夫
    • 学会等名
      日本組織培養学会
    • 発表場所
      岡山市
    • 年月日
      2010-05-20
  • [図書] Clinical application of molecular diagnosis in cancer, radiation effect, and human diseases2010

    • 著者名/発表者名
      Keiko Hiyama, Eiso Hiyama, Inaho Danjoh
    • 総ページ数
      21-34
    • 出版者
      Research Signpost Press
  • [備考]

    • URL

      http://www.brc.riken.jp/lab/cell/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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