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2011 年度 実績報告書

イネのカドミウム輸送の分子機構の解明と利用

研究課題

研究課題/領域番号 22580008
研究機関秋田県立大学

研究代表者

赤木 宏守  秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (50315587)

研究分担者 渡辺 明夫  公立大学法人秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (50325940)
中澤 伸重  公立大学法人秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (40315586)
キーワードイネ / ファイトレメディエーション / カドミウム / 膜輸送体 / OsHMA3
研究概要

(1)シロイヌナズナおよび酵母を用いた(OsHMA3)機能解析
イネのOsHMA3)cDNAを高発現させたシロイヌナズにおいて、OsHMA3がCdを液胞内に輸送することを明らかにした。その一方で、ZnやCo、Ni、Pbは輸送しない、あるいは輸送活性が著しく低いことが明らかとなった。これはOsHMA3の重金属の輸送能がオーソログであるシロイヌナズのAtHMA3とは異なりユニークであることを示している。OsHMA3の重金属の輸送能の解析をさらに進めるため、C末端領域の構造を変化させたOsHMA3のcDNAを複数作成してシロイヌナズナへ形質転換を行った。それらのCd輸送活性の解析から、OsHMA3のC末端領域がCd輸送には不可欠であることが示唆された。さらに、シロイヌナズの形質転換体め解析を通じて、OsHMA3を高発現させることにより植物のCd耐性を向上できることも明らかとなった。
(2)OsHMA3によるCd移行能の制御技術の開発
組織特異性および発現誘導可能なプロモーターと連結したOsHMA3を日本晴に導入した形質転換体を作成した。TO世代を用いて水耕栽培でCd移行能を予備的に評価した結果、全草で発現する35sプロモーターでOsHMA3を発現させた場合、Cdは根に残留し、地上部へのCd移行が著しく制限された。これに対し、光で誘導されて葉において発現させるcabおよび根で発現させるAMT1-1プロモーターを用いた場合には、地上部へのCd移行に変化は認められなかった。今後、Cd耐性の付与も組み合わせることで、Cd蓄積を制御した植物の開発が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに、イネにおけるカドミウムの移行のキーとなるOsHMA3遺伝子を同定し、イネにおけるCd輸送システムの一端を明らかにした点では計画以上に進展している。一方、OsHMA3遺伝子を用いたCd移行能の制御技術の開発について形質転換植物の作出と解析ではやや遅れている。

今後の研究の推進方策

今後、OsHMA3の構造とCd輸送能との関係、特にC末端領域のCd輸送における役割を明らかにする。これによりイネにおけるCd輸送の分子機構を明らかにするとともに、Cd輸送能の向上・改変についての新たな知見を得ることを目指す。
一方、OsHMA3の発現を調節することにより植物体でのCdの分配を制御する技術を確立する。さらに、OsHMA3を組織特異的に機能させたCd耐性植物を育成し、より多くのCdを蓄積する植物の開発を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Mutations in rice (Oryza sativa) heavy metal ATPase 2 (OsHMA2) restrict the translocation of Zn and Cd2012

    • 著者名/発表者名
      Satoh-Nagasawa N, Mori M, Nakazawa N, Kawamoto T, Nagato Y, Sakurai K, Takahashi H, Watanabe A, Akagi H
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 53 ページ: 213-224

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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