研究概要 |
カテキン類からプロアントシアニジン(PA)合成への過程は未だよく知られていない。本研究ではソバに由来するPA合成を制御する転写因子をタバコやアラビドプシスで高発現させ、その時に新たに発現する遺伝子やタンパク質を検出するなどをしてプロアントシアニジン合成の解明を試みる。本年はソバから単離したフラボノール合成を制御していると考えられる転写因子遺伝子FeMYB1およびPA合成を制御していると考えられるFeMYB4を35Sプロモーターに連結してタバコへ導入した。また、産総研の高木博士の協力のもと、これら遺伝子とこれら遺伝子にリプレッションドメインを結合したコンストラクトをアラビドプシスへ遺伝子導入した。これら形質転換体と非形質転換体とを比較することにより、さまざま情報が得られることが期待できる。形質転換タバコはサンプリングを終え、現在フラボノールやカテキン類の調査を行っている。アラビドプシスは選抜培地で形質転換体を選抜中である。また、当研究室で作出したアントシアニン等の合成ができないソバの変異体(GS)と自殖性ソバとの交配により作成した分離集団を用いて、GSとWild型のPA合成に関わると考えられるANS,ANRおよびLARについて植物の部位ごとの遺伝子発現を調査している。また本研究を行うに当たり新規のDFR遺伝子を見つけたのでこれについても遺伝子発現等を調査している。さらに、GSとWild型の準同質遺伝子系統を用いてcDNA-AFLPを行い、新規の遺伝子およびGS形質を支配している遺伝子の探索も行っている。
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