研究概要 |
1.研究の概要 平成23年度は,窒素追肥時期の処理を設けた圃場試験(第1試験,平成22年11,月~平成23年6月)の調査,分析,結果の解析ととりまとめ,および栽植密度の処理を設けた圃場試験(第2試験,平成23年11月~平成24年6月の予定)の実施である.第1試験については計画通り実施できたが,第2試験については発芽不良で栽植密度が不均一となったため試験を中止した. 第1試験の圃場調査は計画どおり実施できた.また,保存した乾燥サンプルを本年度購i入したウィレー粉砕器で粉砕し,窒素含有率を測定した.第1試験の結果は2回学会で発表し,平成24年度の早々に論文を投稿する予定である. 第2試験は4段階の栽植密度による試験を実施したが,発芽不良のため目標の栽植密度を確保することができず,やむなく試験を中止した.平成24年度には秋から再度,栽植密度の試験を実施するほか,栄養成長期のデータを取る目的で5月にも栽植密度の実験を行う予定である. 2.得られた結果の概要 発育形態に関する指標(最大茎数,出葉間隔,相対分げつ増加率)と群落内の光環境(R/FR)との関係を解析した.個体あたり茎数が7.7本の頃にR/FRが急激に低下を始め,受光率では0.2程度からR/FRが大きく低下したことから,R/FRの転換点は茎数でみても受光率でみてもほぼ同じ最高茎数の23~26日前に相当することが明らかとなった.窒素追肥処理で分げつ形成に大きな処理間差が生じなかったので,光質と茎数との関係は十分解析できなかったが,通常のコムギ栽培条件における光質と茎数との関係について圃場レベルでの貴重な結果を得ることができ,また解析手法もほぼ確立することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成22年11月~平成23年6月の第1試験,平成23年11,月~平成24年6月の2つの圃場試験を計画していた.第1試験は予定通り実施できたが,第2試験は発芽不良のために試験区が設置ができず,やむなく中止した。平成24年度には秋から再度,栽植密度の試験を実施するほか,5月にも栽植密度の圃場試験を実施して栄養成長期を対象にデータを取得する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後,栽植密度の違いで分げつ形成が異なるコムギ群落を対象に,発育形態に関する指標(最大茎数,出葉間隔,相対分げつ増加率)に群落内の光環境(R/FR)がどのように関与しているかを明らかにする. 第2試験は4段階の栽植密度による試験を実施したが,発芽不良のため目標の栽植密度を確保することができず,やむなく試験を中止した.平成24年度には秋から再度,栽植密度の試験を実施するほか,栄養成長期のデータを取る目的で5月にも栽植密度の実験を行う予定である.
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