研究課題
アブラナ科花卉作物の新花色品種育成のために必要な情報であるアントシアニンをはじめとするフラボノイドに関する研究を進めてきた。ストック(Matthiola)の花、ヘリオフィラ(Heliophila)の花、マルコルミア(Malcolmia)の花、オーブリエタ(Aubrieta)の花、モリカンディア(Moricandia)の花、ヘスペリス(Hesperis)の花、および、アラビス(Arabis)の花におけるアントシアニンをはじめとするフラボノイドの精製の結果、のべ40種類の色素が得られ、構造解析の結果、18種類の新規色素が含まれていることが分かった。これらの色素を色々な組み合わせでバッファーに溶かし、吸収スペクトルパターンを測定した結果と生花弁の吸収スペクトルパターンを比較した結果、ストックでは分子内コピグメンテーション、ヘリオフィラやオーブリエタでは分子間コピグメンテーションが花色発現に関わっていることが分かった。その他の属についてはアントシアニンの構造解析までしかできなかったが、今後の実験で、コピグメンテーションの分析が進みやすくなったことは確かである。さらに、園芸市場で需要の高いストックの花色の限界も分かったことから、他属の色素構造を参考にした新しい色素によるストックの新花色育種が期待できるレベルになったと考えられた。これまで、アブラナ科花卉作物は需要の割に花色に関する色素の情報はほとんどなかった。しかし、本研究の結果から需要の高い物、および、これから需要が期待できる多くの属や種での花色に関わる色素の基本情報および発色機構に関するデータが十分に得られたことから、アブラナ科植物でも、他科の園芸品種と同等以上に多くの新花色品種育成が進むであろうと考えられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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