研究概要 |
3品種のカーネーション切り花'エクセリア','ゼバ','マーロ'を0または5%スクロースと殺菌剤(レジェンドMK)を含む溶液に生けて,4℃暗黒下で,0, 14日, 28日間貯蔵した.貯蔵終了直後に最外側の花弁を採取し,色調と新鮮重を測定し,HPLCによるアントシアニン量の分析に供した.同時に採取した花弁から抽出したtotal RNAを用いてRT-PCRにより,カーネーションのPAL,CHS,CHI,F3H,DFR,ANSについて遺伝子発現解析を行った.'エクセリア'では,スクロース処理区においてPg3G量が14日目に増加,その後減少した.未処理区では貯蔵中に減少した.Pg3MGは両処理区において,貯蔵期間が長くなるにつれて増加した.'ゼバ'ではPg3Gが貯蔵中に増加し,スクロース処理区でより多く蓄積したが,Pg3MGは検出されなかった.'マーロ'ではPg3Gが検出されず,Pg3MGはスクロース処理14日目から増加し,未処理区では遅れて増加した.アントシアニン生合成関連遺伝子の発現解析では,'エクセリア'は解析した中でPAL以外の発現がスクロース処理区で未処理区より多くなっていた.'ゼバ'では,ほとんどの遺伝子で14日目に増加し,その後減少するような傾向がみられ,スクロース処理区ではF3H下流のDFRおよびANSの発現が多くなっていた.'マーロ'ではスクロース処理区でANSの発現量が多くなっていた.グロリオサの切り花ショ糖0または5%を含む生け水に生け,各小花の開葯時採取して花弁の糖含量を測定した.ショ糖を含まない生け水の場合は第1小花の花弁の糖含量が最も高く上位の花ほど低くなった.一方,ショ糖5%を含む生け水に生けた場合は上位の小花ほど糖含量が高くなった.
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