研究課題/領域番号 |
22580041
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
輿水 肇 明治大学, 農学部, 教授 (60012019)
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研究分担者 |
菊池 佐智子 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (50409471)
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キーワード | 自然現象観測・予測 / 可視化 / 環境政策 / GIS |
研究概要 |
国営武蔵丘陵森林公園内の都市緑化植物園「街路樹見本園」において、5月22日(日)に樹木調査を実施し平成22年度の時点で、87種の標本木の樹高、幹周(目通り周)、枝張り(東西南北)の測定が終了していることから、平成23年度は、(1)現在まで病虫害等の被害を受けておらず、(2)7割以上の測定データを用いて成長曲線が想定できている樹種に絞って、調査を実施した。 平成22年度まで全30年間の計測データを樹高、幹周(目通り周)、枝張り(東西南北)の項目ごとに、手書きの調査票からの入力ミスなどによるデータの外れ値を確認し、縦軸を年、横軸を各種成長量としたグラフを作成した。グラフ作成後、樹高・幹周(目通り周)・枝張りの順で成長曲線の作成を行うことが、緑化樹の成長シミュレーションに有効であると判断し、成長曲線の算定にとりかかった。樹高では、その最終成長量から、25のグループに分類することができ、このグループを、幹周(目通り周)、枝張りにも適用すること決めた。 成長曲線の式は、Ln(y)=aLn(x)+bと仮定し、Microsoft Excelを用いて算定し、グラフによる可視化を行った。 調査対象地の周辺の気候変動調査は、気象庁HPで公開されている気象統計情報のうち、熊谷・寄居・鳩山・久喜の4つの観測所の降水量、年平均気温、年最高気温、年最低気温について、樹木データと対応を見るため、1981年から2010年の30年間分を収集し、グラフを作成した。また、月平均気温を用いて温かさの指数と寒さの指数を算出し、ハーディネスゾーンから当調査地は8bに該当することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
測定データから剪定の有無を判読するため、管理主体である都市緑化植物園に対し、ヒアリング及び関係資料の収集を行ったが、文書保存の関係から、対象としている30年間の剪定データを得ることができなった。このため、全87種について、手作業により当時の調査票とデータの突き合わせを行ったため、気象データとの関連成分析への着手が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、成長量と気候変動との関連性分析を行っている。 街路樹の都市気象改善効果は、グラフを用いて提示することとし、最終年度となる平成24年度は市街地景観の作成を中心に作業を進める。
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