研究課題
Corynespora cassiicola(Berkeley et Curtis) Weiは、70種類以上の植物に激しい被害を引き起こす多犯性の病原糸状菌で、しかもその病原性は植物ごとに異なることが報告されている。本菌によって引き起こされるキュウリ褐斑病は、高温多湿条件下ではしばしば大発生する難防除性の病害である。我々は、赤色光が植物の病害抵抗性を誘導することをイネ、オオムギ、ソラマメなどで報告してきた。本研究では、褐斑病菌に対するキュウリの赤色光誘導抵抗性について調査した。その結果、褐斑病菌接種キュウリ葉を赤色蛍光灯照射下に保つと自然光下のキュウリ葉に比べて病斑形成が著しく抑制された。また、この様な違いは病原菌のキュウリ細胞に対する侵入行動においても認められた。即ち、病原菌胞子の発芽や付着器形成はいずれの光条件においても抑制はされていなかったが、赤色光下では侵入直下のキュウリ細胞で褐変が見られ、そこで侵入菌糸の進展が停止していた。しかし、自然光下ではこの様な停止は見られず、菌糸は隣接細胞へ蔓延していた。一方、プラントアクチベターの一つであるアシベンゾラルSメチルを前処理しておくとこの様な赤色光誘導抵抗性は抑制された。また、半活物性病原菌として知られる炭疽病菌を接種した場合には病斑形成の抑制は認められなかった。以上のことは、赤色光誘導抵抗性には全身誘導抵抗性とは異なるメカニズムが関与していることが考えられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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