研究課題/領域番号 |
22580056
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浅野 眞一郎 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (60222585)
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キーワード | Bacillus thuringiensis / cry8トキシン / 鞘翅目害虫 / ハムシ類 / コガネムシ類 / 腸管消化液 / トキシン受容体 / 防除法 |
研究概要 |
農作物に甚大な被害をおよぼす鞘翅目害虫に対するBT菌株の殺虫活性試験を行ってきた。(マメコガネ成虫、コクヌストモドキ成虫、コガタルリハムシ成虫、ウリハムシ成虫、ウリハムシモドキ成虫、イネドロオイムシ成虫、イネミズゾウウムシ成虫)。 バイオアッセィの結果で殺虫活性が認められたのはマメコガネ、コクヌストモドキ、イネドロオイムシ成虫に対してであり、定法に従いCry遺伝子のクローニング、そのCry遺伝子の大量発現と殺虫活性試験を行うとともに、それらのCryタンパク質の各昆虫成虫の消化管におけるトキシンプロセッシング様式の検証を行ったところ、トキシン断片は最終的には54kDa断片であり、α3-α4ヘリックスの間に存在するループ領域が切断されることがトキシンの殺虫活性に深く関与していることを明らかにした。また、特異的殺虫活性を決める要因の一端であるトキシンレセプターの同定を行った結果、マメコガネ成虫のCry8Daトキシンレセプター分子としてβ-グルコシダーゼやアミノペプチデースN、アルカリフォスファターゼが同定された。この中でも、β-グルコシダーゼが成虫におけるレセプター分子として重要であることが明らかとなった。穀物害虫であるコクヌストモドキ成虫からは、トキシンプロセッシングに関わると考えられている消化管のメタロプロテアーゼ遺伝子がクローニングし、Cry8トキシンのプロセッシングの様式の検討を行った。またコクヌストモドキ成虫のCry8トキシンレセプター候補分子として、カドヘリン様タンパク質やグルコシダーゼの遺伝子をクローニングし、これらの分子とCry8Daトキシンとの結合試験を行い、レセプターとしての機能解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究の一つの目標であった、受容体の同定の点については当研究室に在籍した博士研究員の協力の下、研究を推進したため、既に受容体の同定まで終了したため。
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今後の研究の推進方策 |
鞘翅目昆虫成虫のCry8トキシンレセプター候補分子の特定はだいたい終了したので、コクヌストモドキからクローニングされたメタロプロテアーゼの活性の検討とグルコシダーゼを昆虫培養細胞での発現系に載せて、レセプターとしての機能解析を行う。コガネムシ成虫のレセプター分子としてはβグルコシダーゼが同定されたので、この分子のクローニングと昆虫培養細胞での発現系によるレセプターとしての機能解析を行う。 これにより、Cry8Dトキシンの成虫殺虫活性機構が解明できると考えられ、鞘翅目害虫防除資材としての分子基盤の確立が行える。
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