本研究では根粒菌がマメ科植物細胞内に侵入する時や、共生における小胞を介した物質輸送に着目している。申請者は既に輸送小胞あるいは、標的オルガネラに結合している数十種類のSNAREと呼ばれるタンパク質群の中で根粒菌を取り込むのに重要なSNAREを3種見いだしている。このSNAREについて突然変異体を用いた詳細な解析を行い、最終的にはSNARE遺伝子を高発現させ、共生微生物を利用した高機能窒素固定付与作物の作出を目的とした。 研究期間内に、ミヤコグサSNARE遺伝子の中から共生に関わる候補遺伝子を探し、それぞれの遺伝子群の局在性、RNA、タンパク質発現解析、を行った。本研究期間内に3つの候補遺伝子に着目しその遺伝子をRNAi法により発現抑制させた形質転換体を作成した。得られて形質転換体を用いて表現型解析の他に根粒菌感染検定を行った。最終年度にはマメ科植物で過剰発現体の作出を試みた。
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