研究課題/領域番号 |
22580073
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
森泉 美穂子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・土壌作物分析診断手法高度化研究チーム, 主任研究員 (10220039)
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研究分担者 |
松永 俊朗 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・土壌作物分析診断手法高度化研究チーム, チーム長 (20355647)
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キーワード | サイズ排除高速液体クロマトグラフィー / 化学発光窒素検出 / 土壌有機物 / 有機態窒素 / 堆肥 |
研究概要 |
1.サイズ排除高速液体クロマトグラフィー/化学発光窒素検出法(HPSEC/CLND)による含窒素土壌有機物の分子量分布測定 サイズ排除高速液体クロマトグラフィー/化学発光窒素検出法により、熱水抽出された含窒素土壌有機物の分子量分布を測定した。測定にあたり、HPSEPの溶離液濃度等の分析条件を検討した。供試試料は、4種類の土壌型(厚層黒ボク土、淡色黒ボク土、灰色低地土、黄色土)の有機物無施用区および有機物連用区(作物残渣2kg m-1 year-1を25年連用)の畑土壌の16時間80℃水抽出物(HWEOM)である。測定の結果、HWEOMの有機態窒素は、分子量0.1~100kDaの広い分子量分布を持っていることが明らかとなった。また、HWEOMの有機態窒素の分子量分布は、4種類の土壌型ごとに異なっていた。さらに、HWEOMの有機態窒素量は、すべての分子量範囲で、有機物無連用土壌よりも有機物連用土壌の方が多く、いずれの土壌においても特に数10kDa程度の有機態窒素が有機物連用によって増加していることが明らかとなった。これらの結果から、HPSEC/CLNDは、土壌の有機態窒素の構造および動態の解明に有用な手法であることが示された。 2.高速液体クロマトグラフィーによる含窒素土壌有機物のアミノ酸組成測定 熱水抽出された含窒素土壌有機物を加水分解し、そのアミノ酸組成を測定した。その結果、加水分解可能なアミノ酸は、有機態窒素の20~100%を占めることが明らかとなった。また、加水分解性アミノ酸の割合は、有機物無施用土壌よりも有機物連用土壌の方が低いことが判明した。
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