研究課題
基盤研究(C)
平成22年度は連作障害の発生程度の異なるインゲン品種(感受性:大正金時・抵抗性:姫手亡)、ダイズ根粒非着生系統(En 1282)、ダイズ根粒着生野生型(エンレイ)、ダイズ根粒超着生系統(Sakukei 4)を使用し、上記の植物材料を北農研芽室研究拠点の所内圃場(淡色黒ボク土)で慣行栽培した。平成22年度のインゲン連作障害の評価は春先の6月までの低温と長雨により定植作業が遅れ、さらに7月の猛暑による異常気象で生育が著しく悪くなったことから、根褐変(根腐病)の発生が少なく、また、収穫量を指標とした評価が困難であった。群集構造解析用試料については8月上旬に行い、比較的健全に生育した収穫期のダイズ・インゲンなどの根組織を土壌から掘り出し水洗後に凍結保存した。これら根組織を液体窒素で粉砕後、組織粉末からDNAを調製し、根圏細菌と糸状菌類の多様性評価のためのDNAとして保存した。バルク土壌については、作付け前のバルク土壌(非根圏土壌)及びサンプリング時のバルク土壌も凍結保存した。さらに、これらの土壌から、DNA抽出を行った。新規技術が利用可能なコストとなったことからバルク土壌の細菌類と糸状菌類の多様性評価については経年的変化をパイロシークエンスでモニタリングする予定とした。上記で得られた環境DNAを用いて、系統的多様性の評価として16SrRNA遺伝子領域を標的としたPCR増幅を行い、シークエンス解析のためのDNA調製を行った。また、線虫類については、T-RFLP法が報告されていることから、当該手法を用いて線虫類の定性・定量による動態解析のためのPCR条件の確認と、制限酵素処理条件の検討を行った。本手法を用いて、線虫類の多様性と密度についての経年的変化を調べる予定である。平成23年度以降も同様のサンプリングを継続し、マメ連作に影響を受ける土壌微生物群の特定を試みる。
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