研究概要 |
インドロカルバゾール環形成の最後のステップはピロール環の酸化である。この触媒反応を行なう酵素はフラビン要求性のモノオキシゲナーゼ・StaCである。P450 StaP単独では、ピロール環7位の酸化状態が異なる3種類のインドロカルバゾール、K-252c, arcyriaflavin, 7-hydroxy-K-252cが併産されるが、StaCもしくはそのホモログであるRebCが存在することでK-252cあるいはarcyriaflavinを選択的に生産するようになる。これら3種類の化合物の持つ生理活性はそれぞれ異なるため、ピロール環7位の酸化反応のコントロールが可能になれば、有用インドロカルバゾールの選択的な醗酵生産が期待できるが、これまでその選択的反応機構の詳細は不明であった。本研究ではStaCとRebCの反応機構を生化学的に解析し、その選択的反応機構の詳細を明らかにした。StaC, RebC組換えタンパクの発現を行い、in vitroでの酵素反応を確認した。本研究では、RebCの基質結合部位周辺のアミノ酸残基をStaC型に変換した変異蛋白およびStaCの基質結合部位周辺のアミノ酸残基をRebC型に変換した変異蛋白を遺伝子組換えにより作出し、7位の酸化に関与するアミノ酸残基を特定した。
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