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2011 年度 実績報告書

セルロース系バイオマスの完全酵素糖化を目指したセルラーゼの高機能化

研究課題

研究課題/領域番号 22580090
研究機関大阪府立大学

研究代表者

川口 剛司  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70195056)

研究分担者 炭谷 順一  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10264813)
谷 修治  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (80405357)
キーワードセルラーゼ / バイオマス / 進化分子工学 / A.aculeatus
研究概要

1)セルロース結合ドメイン付与によるスーパーβ-グルコシダーゼの創製
昨年度にセルロース結合ドメインの付与による不溶性セルロース基質に対する活性の向上に関して検討し,一定の効果があることが確認できたため本年度はさらなる検討を加えていない。一方,平成23年度に他機関との共同研究でX線結晶構造解析によりβ-グルコシダーゼの立体構造が明らかになったことを受けて,新たな研究課題を計画し実施した。立体構造活に関する知見およびモデリングによって活性中心付近および基質結合のサブサイトに関わるアミノ酸残基を推定した。活性の向上,基質特異性の改変を目指して,部位指定変異によりそれらのアミノ酸置換変異体遺伝子を数種類作製し,A.oryzaeを宿主とした大量発現系の構築を進めている。
2)進化分子工学的改変による各セルラーゼ成分の機能強化
A. aculeatusのセルラーゼ成分の中で最も実用的に優れていると考えられるβ-グルコシダーゼを進化分子工学的に改良するためにの大規模なランダム変異ライブラリの構築が必要だが昨年度の検討により大腸菌を宿主とした発現は困難であると判断した。本年度は,酵母を宿主とした発現について検討を加え,活性のある酵素として生産させることに成功した。さらに,ランダム変異ライブラリから活性の向上した変異酵素を選択する簡便なスクリーニング系を確立し,ランダム変異ライブラリの構築およびスクリーニングに着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

β-グルコシダーゼへのセルロース結合ドメイン付与の影響については昨年度にほぼ検討が終了し,今年度は特に実験を行っていない。今年度は,β-グルコシダーゼの立体構造が明らかになったことを受けて,活性中心付近のアミノ酸残基を置換することによる比活性の向上,基質特異性の改変を目指して数種類の変異酵素発現ベクターを構築しA. oryzaeによる発現に成功した。一方,ランダム変異ライブラリ構築のための大腸菌における発現は断念したが,酵母における発現に成功した。さらに,ライブラリから目的の変異体を選択する簡便なスクリーニング法を確立した。

今後の研究の推進方策

β-グルコシダーゼの改変については,活性中心,基質結合サブサイトに関わるアミノ酸置換変異体を作製し,それらの活性や基質特異性を明らかにし,バイオマス糖化の最終段階である単糖生成力の強化につながるセロビアーゼ活性の上昇した変異体の取得を目標にする。一方,酵母を宿主としたランダム変異ライブラリを構築し,活性の向上した変異体,特にβ-グルコシダーゼに関して生産物であるグルコースによる阻害が緩和された変更その取得を目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Construction of a recombinant Trichoderma reesei strain expressing Aspergillus aculeatus β-glucosidase 1 for efficient biomass conversion2012

    • 著者名/発表者名
      Nakazawa, H., Kawai, T., Ida, N., Shida, Y., Kobayashi, Y., Okada, H., Tani, S., Sumitani, J., Kawaguchi, T., Morikawa, Y., Ogasawara, W.
    • 雑誌名

      Biotechnology and Bioengineering

      巻: 109 ページ: 92-99

    • DOI

      10.1002/bit.23296

    • 査読あり
  • [学会発表] Aspergillus aculeatus由来分泌型β-glucosidase 1のセロオリゴ糖分解について2012

    • 著者名/発表者名
      馬場祐太朗, 谷修治, 炭谷順一, 川口剛司
    • 学会等名
      2012年日本農芸化学会大会
    • 発表場所
      京都府(京都女子大学)
    • 年月日
      2012-03-24
  • [学会発表] Aspergillus aculeatus β-グルコシダーゼ1(BGL1)のセロビアーゼ活性の向上2011

    • 著者名/発表者名
      馬場祐太朗, 谷修治, 炭谷順一, 川口剛司
    • 学会等名
      第25回セルラーゼ研究会
    • 発表場所
      茨城県(花王株式会社霞ヶ浦研修所)
    • 年月日
      2011-10-15
  • [学会発表] Aspergillus aculeatus由来分泌型β-glucosidase 1の反応特性2011

    • 著者名/発表者名
      竹谷俊介, 谷修治, 炭谷順一, 川口剛司
    • 学会等名
      第25回セルラーゼ研究会
    • 発表場所
      茨城県(花王株式会社霞ヶ浦研修所)
    • 年月日
      2011-10-15
  • [学会発表] Aspergillus aculeatusのセルラーゼ2011

    • 著者名/発表者名
      川口剛司, 谷修治, 炭谷順一
    • 学会等名
      第11回蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      大阪府(ホテル阪急エキスポパーク)(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-08

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公開日: 2013-06-26  

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