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2012 年度 実績報告書

糸状菌由来ペクチン分解酵素群の網羅的機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22580091
研究機関大阪府立大学

研究代表者

阪本 龍司  大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (10275282)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードPenicillium chrysogenum / ペクチン / アラビノフラノシダーゼ / アラビナナーゼ / ガラクトシダーゼ / ガラクタナーゼ / フェルラ酸エステラーゼ / ラムノガラクチュロナン分解酵素
研究概要

ペクチンはホモガラクチュロナン領域とラムノガラクチュロナン(RG)領域から構成されるヘテロ多糖であり、様々な修飾基をもつ。優れたペクチン分解能を有するPenicillium chrysogenum によるペクチン分解機構を明らかにする目的で、本研究課題では本ゲノム中に存在する54種の推定ペクチン分解系遺伝子の機能解析を目指している。本年度終了時までに全遺伝子のクローン化を行い、そのうち30種のタンパク質については反応特性解析を完了した。本年度に得られた結果の中、本概要ではRG分解系酵素の3種について記載する。本菌培養上清中で主要なRG分解酵素であるRGL1は、RG多糖を特異的に切断し、非還元末端に不飽和ガラクチュロン酸(ΔGalA)をもつRGオリゴ糖を生成したことから、エンド-RGリアーゼであることが判明した。また、RG側鎖のアラビナンを部分的に除去することにより分解活性は増大した。上記で生成するRGオリゴ糖は、エキソ型のRGリアーゼ(エキソ-RGL)により2糖単位(ΔGalA-Rha)で速やかに分解された。また、その反応生成物の解析結果より、本酵素はRG側鎖のガラクトースをバイパスできることも判明した。不飽和ラムノガラクチュロニルハイドロラーゼ(URH1)はシグナルペプチドがなく、菌体内酵素と推定されるが、本酵素はエキソ-RGLにより生成するΔGalA-Rhaを加水分解した。なお、本酵素は非還元末端にΔGalAを有する種々のオリゴ糖には活性を示さなかった。以上の結果より、P. chrysogenumにおいて、RG多糖はRGL1とエキソ-RGLの相乗作用によりΔGalA-Rhaまで分解され、続いて菌体内でURH1により糖化されるものと考えられる。なお、真核生物由来のエキソ-RGLおよびURHはこれまでに報告例はなく、カビによるペクチン分解における新たな知見を得た。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Biochemical characterization of a GH53 endo-β-1,4-galactanase and a GH35 exo-β-1,4-galactanase from Penicillium chrysogenum.2013

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto T.
    • 雑誌名

      Appl. Microbiol. Biotechnol.

      巻: 97 ページ: 2895-2906

    • DOI

      10.1007/s00253-012-4154-5

    • 査読あり
  • [学会発表] Penicillium chrysogenum 31B株由来のL-アラビナン特異的α-L-アラビノフラノシダーゼ2012

    • 著者名/発表者名
      篠﨑文香
    • 学会等名
      日本応用糖質科学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120919-20120921
  • [学会発表] 不溶性小麦アラビノキシランの分解に適した酵素の選択2012

    • 著者名/発表者名
      楠本敬文
    • 学会等名
      日本応用糖質科学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2012-09-20

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公開日: 2014-07-24  

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