研究概要 |
本研究は(1)エンド-β-1,6-ガラクタナーゼの立体構造を解明し、(2}エンド-β-1,6-ガラクタナーゼの基質特異性のメカニズムを明らかにすることを目的とする。本研究では、Streptomyces avermitilis由来エンド-β-1,6-ガラクタナーゼとAspergillus flavus由来別種エンド-β-1,6-ガラクタナーゼと考えられる酵素を対象とし、糖加水分解酵素ファミリー5に分類されるエンド-β-1,6-ガラクタナーゼの基質特異性のメカニズムを解明し、同ファミリーに属するグルカナーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼなどの酵素との立体構造的な差異を解明する。 本年度は、昨年度にPichia pastorisの系で発現させることに成功したAspergillus flavus由来エンド-β-1,6-ガラクタナーゼの結晶化を試みた。組換え酵素は糖タンパク質であり、糖鎖部分が結晶化を妨げていると考えられたため、糖鎖を除去した酵素を調製し、種々の条件で、結晶化の検討を行なった。一方、S.avermitilis由来エンド-β-1,6-ガラクタナーゼについては、昨年度にセレノメチオニンを導入することに成功した組換え酵素を結晶化して、立体構造を解明することに成功した。立体構造をもとに、本酵素が基質であるβ-1,6-ガラクトオリゴ糖をどの様に認識し、β-1,3-ガラクトオリゴ糖やβ-1,4-ガラクトオリゴ糖と識別しているかを明らかにした。
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