1.カナダ産イチイTaxus canadensisからポナステロン誘導体である新規ファイトエクジステロイド2種(アセトナイド及びp-ヒドロキシベンジリデンアセタール)を単離構造決定した。日本産イチイTaxus cuspidataから新規タキサン類3種(6/8/6-タキサン=13-グリコシドの最初の例、6/8/6-タキサン、2(3→20)アベオタキサン)、麹菌Aspergillus puniceus F02Z-1744から肝臓X受容体転写促進活性を示す新規オキセピナミド類4種(絶対立体配置をX-線結晶構造解析で確定)を単離構造決定した。 2-1.植物成分エチノピン合成において立体選択的な側鎖導入(3級OH基の立体選択的除去による還元)に成功した。マオエクリスタルVの新規合成経路において鍵となるC1単位導入(α-シアンヒドリン形成)に成功した。 2-2.海洋スポンジの成分コルチスタチン類の新規アナログを構成するアニリン単位の構築に成功したモデル合成研究においてA-C環の連結を二通りの手法で行った。 2-3.抗生物質JBIR-23において鍵となるマイケル反応(A環部前駆体およびC環部)を行った。抗生物質エナシロキシン類のC9'-C15'単位(Wittig試薬およびスルホン)をL-アラビノースからWittig-Horner反応を鍵として、またC16'-C23'単位をD-酒石酸ジエチルから合成した。
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