Strigolactone類の合成研究 1、Sorgomolの合成:標的分子合成の重要中間体である3環性ラクトンをナザロフ環化を基盤とした戦略に基づき合成した。その合成において、ヨードアセトニトリルを求電子剤として用いるアルキル化の優位性を見出し、ラセミ体合成ではあるが、sorgomolの世界初の合成を達成した。また、現在、光学活性体合成法の確立を目指し、酵素分割法を検討している。 2、Solanacolの合成:我々がその誤りを証明したsolanacol提唱構造の合成法に基き、改訂構造の合成を達成した。ただし、本合成法は効率の点で致命的な欠点があるため、現在その改良合成法を検討中である。 3、酵素分割を用いた4-HO-GR24(新規合成ストリゴラクトンアナログ)光学活性体の合成法を確立した。この成果はsolanacolの光学活性体合成に直結すると期待される。 Decaturin類の合成研究 1、Decaturin C合成の鍵中間体となるビニルエポキシドの調製法確立を目指し、ロビンソン成環反応の条件検討に集中的に取り組んだ。従来の知見では、この反応の収率が30%を超えず、これが全合成を阻む最大要因となっていた。現在、有機塩基を用いた方法を詳細に調査中である。
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