研究課題/領域番号 |
22580119
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
滝川 浩郷 神戸大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40271332)
|
キーワード | 有機化学 / 生物活性天然物 / ストリゴラクトン / 根寄生雑草 / 摂食阻害活性物質 / デカチュリン |
研究概要 |
本研究では有機合成化学・天然物化学の視点から「植物保護」をキーワードとし、植物(作物)保護に関連する生物活性天然物の合成化学的研究を行っている。研究の最優先課題は標的分子である生物活性天然物の全合成であるが、実用・応用の可能性も見据え、新規生物制御物質の開発およびその有効利用への展開を目指す。 Strigolactone類の合成研究: 1)Sorgomol光学活性体合成おける鍵反応である合成中間体に対する酵素を用いた速度的分割に関して、酵素のスクリーニングをほぼ完了し、現在、反応条件の最適化を行っている。 2)Solanacolの合成に関しては、酵素を用いた速度論的分割を鍵反応として用い、その光学活性体合成を達成した。 3)既に報告した4-HO-GR24の光学活性体合成サンプルに関する生物活性試験結果を足掛かりに、報告されていたalectrolおよびorobancholの絶対立体配置が間違っていることを明らかにした。 4)Striga gesnerioidesにおけるstrigolactone類の立体化学と生物活性の間に極めて興味深い相関関係があることを明らかにした。 Decaturin類の合成研究: 1).Decaturin Cの光学活性体合成研究において、合成の鍵中間体となる.ビニルエポキシドの調製法を確立した後、独自に開発したスピロ環形成反応を駆使してdecaturin Cの光学活性体合成を達成した。現在、その効率化を検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の最重要課題であった天然物合成に関して、細部の検討は残されているものの、いくつかの標的分子の合成を達成できた。また、合成を達成したことによるアウトプット(天然物の構造訂正および生物活性に関する新たな知見獲得)も得られている。まだ合成を達成していない標的分子も残されているが、全体としてはおおむね順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に推移しているので、とくに計画を変更をすることなく本研究を遂行する。合成が達成できていない標的分子(sorgomol等)に関しては、その完成を急ぐ。また、合成した天然物のみならず、それらのアナログ類も含めて、活性・機能の評価を継続する。
|