1 植物Mg^<2+>膜輸送タンパク質recombinant proteinの調製 シロイヌナズナArabidopsis thaliana 由来のCorAファミリータンパク質AtMRS2-1および11を大腸菌で発現し、精製した。AtMRS2-11は、大腸菌での発現量が低く、今後、分子シャペロン過剰発現大腸菌の使用等による、高発現系の開発が課題となる。 2 Mg^<2+>膜輸送タンパク質活性測定システムの構築 Recombinantタンパク質をリポソームに組み込み、外液にMg^<2+>を加えて一定時間インキュベーションしたのち、リポソーム内のMg含量を原子吸光分析法を用いて、また、遊離Mg^<2+>濃度を蛍光指示薬mag-fura-2を用いて測定した。リポソームに再構成したAtMRS2-10を用いて、Mg^<2+>膜輸送活性測定系を確立した。これにより、AtMRS2-10によるMg^<2+>の輸送反応は20秒以内に平衡に達し、また、AtMRS2-10によるMg^<2+>の輸送反応はAl^<3+>によって強く阻害されることを見出した。 3 Mg^<2+>要求性大腸菌Mg^<2+>膜輸送タンパク質遺伝子多重変異株の作成 corA、mgtA、yhiDの三つの遺伝子を欠失させたMg^<2+>要求性の大腸菌多重変異株を作成した。この変異株の生育には、外液に100mM Mg^<2+>が必要であり、今後、この三重変異大腸菌株は、植物のMg^<2+>膜輸送タンパク質を発現させることにより、膜輸送活性解析ツールとして活用することが期待できる。
|