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2012 年度 実績報告書

食品イソチオシアネート類による抗糖尿病効果の作用機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22580125
研究機関岩手大学

研究代表者

伊藤 芳明  岩手大学, 農学部, 准教授 (50312517)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード糖尿病 / 機能性成分 / イソチオシアネート化合物 / シグナル伝達
研究概要

本わさびに含有するイソチオシアネート化合物である6-methylsulfinylhexyl isothiocyanate(6MSITC)で明らかにしてきた抗糖尿病効果について、前年度、クレソン等の他のアブラナ科野菜に含まれる類似化合物phenethyl isothiocyanate (PEITC)でも見いだしたことを受け、その有効性を詳細に検証した。
1.脂肪細胞におけるインスリン応答への効果
3T3-L1脂肪細胞を用いて、PEITC前処理後のインスリンによる糖取り込み活性を評価した。その結果、PEITC24h前処理した場合では、低濃度(10uM)のPEITC処理においてインスリン刺激による糖取り込み活性を上昇させる傾向を示したが、高濃度ではむしろ抑制した。また、PEITC単独での有効性は見出されなかった。PEITCがインスリンシグナルへ及ぼす影響を検討した結果、酸化ストレス下で低下したインスリン刺激によるインスリン受容体活性を回復させる効果を認めた。このことから、PEITCは酸化ストレス軽減効果を介してインスリン作用の改善に寄与している可能性が考えられた。
2.肝臓細胞におけるPEITCが細胞内シグナル伝達に及ぼす効果の解析
これまで検討してきた6MSITCでは、その作用機序として細胞内シグナル伝達は明らかな変化を見いだせていなかった。しかしながら、PEITCでは肝臓細胞であるH4IIE細胞において、インスリンシグナルの下流であるAktの活性化、ストレス応答経路であるp38MAPK, JNK等の活性化が起こることを見出した。阻害剤での検討から、少なくともPI3K-Akt経路はPEITCによる肝臓細胞における糖新生抑制効果に関与している可能性を明らかにした。以上の結果は、PEITCの糖尿病態緩和効果の作用機序を明らかにする上で重要な知見である。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] わさびとウド・セリ科野菜に含まれるGSK-3β阻害物質の2型糖尿病に関わる機能性2012

    • 著者名/発表者名
      吉田潤、伊藤芳明、木村賢一
    • 雑誌名

      New Food Industry

      巻: 54(4) ページ: 9-18

  • [学会発表] 日本ワサビひげ根成分の抗菌活性と日本そばへの応用

    • 著者名/発表者名
      宇部紗織、三浦靖、伊藤芳明
    • 学会等名
      日本食品科学工学会 第59回大会
    • 発表場所
      藤女子大学(北海道)
  • [学会発表] Stabilization of 6-(methylsulfinyl)hexyl isothiocyanate in wasabi fibrous root of microencapsulation with medium-chain triglyceride and dextrin.

    • 著者名/発表者名
      Saori UBE, Makoto MIURA, Yoshiaki ITO
    • 学会等名
      World Congress on Oleo Science & 29th ISF congress 日本油化学会第50-51回合同年会
    • 発表場所
      アルカスSASEBO(長崎)
  • [学会発表] フェネチルイソチオシアネートの糖尿病への効果

    • 著者名/発表者名
      小野弥奈、伊藤芳明、長澤孝志
    • 学会等名
      2013年度日本農芸化学会大会
    • 発表場所
      東北大学(宮城)

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公開日: 2014-07-24  

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