研究課題/領域番号 |
22580141
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
平野 雄 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (40258629)
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研究分担者 |
松野 康二 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (40131940)
河井 一明 産業医科大学, 付置研究所, 准教授 (60161262)
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キーワード | 大豆イソフラボン / ゲニステイン / アセトアミノフェン / 薬剤性肝障害 |
研究概要 |
【研究成果内容】平成22年度は培養ヒト肝癌細胞(HepG2)を用いた研究を実施した。HepG2にアセトアミノフェンを負荷することで肝細胞障害を惹起させ、ゲニステインの障害抑制効果を観察した。その結果、培養マウス肝非実質細胞(NCTC)で得られた結果と同様に、ゲニステインはアセトアミノフェン肝細胞障害を抑制する効果があることが認められた。更に、その効果はN-acetyl-L-cysteine(NAC)と同等かそれ以上であることも確認できた。また、その抑制効果がエストロゲン受容体阻害剤であるfluvestrant及び4-hydroxytamoxifen添加により消失したことより、ゲニステインが有する肝障害抑制効果はエストロゲン受容体を介しているものであることが明らかとなった。 【意義】アセトアミノフェンは頻用される解熱鎮痛剤であり、その副作用としての肝障害が懸念されている。一方、本研究でその障害を抑制する効果が認められたゲニステインは大豆イソフラボンのひとつであり、既にサプリメントとしても市場に出回っている。従って、アセトアミノフェン製剤とうまく組み合わせることにより、副作用の少ない薬剤が開発できる。また、アセトアミノフェンによる急性肝障害に対する治療薬は現時点でNACのみであるが、十分な効果をあげているとは言えない。従って、治療においてもゲニステインをNACと併用することでより有用な効果を期待できる。 【重要性】「副作用の少ないアセトアミノフェンとゲニステインの配合剤の開発」及び「アセトアミノフェン肝障害治療薬の開発」としての重要性がある。
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